競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「スプリンターズSの馬場傾向」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週はCコース替わりだった中山芝コース。時計が速くなるだろうとは思いましたが、土曜に行われたカンナSには驚きましたね。
勝ち時計の1分7秒2は2歳芝1200mの日本レコード。しかもこの時、向正面は向かい風でしたからね。それを逃げて勝ったエコロジークは来年の今頃はスプリンターズSを目指す存在になっているかもしれません。
このカンナSは抜けて速かったのですが、ほかの特別戦も好タイムのオンパレード。オールカマーの勝ちタイム(2分11秒8)は過去10年では2番目に速いタイム 。そして、土曜の九十九里特別(2分30秒6)は過去10年で最速でした。
先週土日で芝のレースは12鞍行われ、逃げ4勝、先行6勝、中団2勝。1着12頭中10頭は4コーナーで4番手以内。1着12頭中10頭は上がり2位以内。今年秋の中山芝は内目を通る先行系が優勢で、先週はコース替わりもあり、その傾向が続いていました。
今期の中山芝が例年以上に時計が速い理由は先週、先々週の当コラムにも書きましたが、それに加えて、雨量が少ないことがかなり影響していると思います。
今年秋の中山競馬場、9月1(日曜)から9月20日(金曜)までの雨量は23ミリ。昨年の同競馬場における9月1日(金曜)から9月20日(水曜)の雨量は136.5ミリでした。この比較を見れば一目瞭然。今年は圧倒的に雨が少ないです。
今秋の中山開幕週から3週目までの開催日の芝コース平均クッション値は今年が約9.9なのに対し、昨年は約8.6。クッション性=硬さ度合いなので(数値が低いほど軟らかい)、やはり今年は馬場が締まっており、時計が出やすい状態であることがわかります。
では、今週はどんな傾向になりそうでしょうか。