競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「先週開幕した東京芝、開幕前の作業内容」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から東京、京都、新潟競馬が開幕。今回は東京競馬場の芝コースを取り上げます。
先週、東京芝レースは13鞍組まれ、逃げ1勝、先行4勝、中団3勝、後方5勝。勝ち馬13頭すべて上がり3ハロン3位以内。秋の東京競馬らしく、開幕週から差しが届いていました。また、1着13頭中11頭は5~8枠の馬で、外目の枠の馬が台頭していました。
東京競馬場では土曜は良スタートも、朝から小雨が降り続いて、5レースからは稍重でした。東京芝は馬場が渋ると外目の枠が台頭する傾向があるので、その影響もあったのかもしれません。
続いては走破時計です。サウジアラビアロイヤルCの勝ち時計は1分33秒0。これは同じく稍重だった2017年のダノンプレミアムの勝ち時計と並び、サウジアラビアロイヤルCとして始まった2015年以降、2番目タイとなる好タイムです。
勝ったアルテヴェローチェのレベルが高かったのは間違いないと思いますが、翌日の毎日王冠でも1分45秒1の時計が出ていましたし、土曜に雨が降らないでパンパンの良馬場でレースができていれば、おそらくレコードタイムが出ても不思議ではない状態だったのではないかと推察します。
この東京開催。開幕前はどんな馬場作業を行っていたのでしょう。東京競馬場馬場造園課の担当者に聞くと、
『今回は傷んだ内側を中心に31000㎡の芝張替を行いました(昨年も31000㎡)。9月上旬にオーバーシードとして洋芝(イタリアンライグラス)を播種。気温が高く推移しており、野芝、洋芝ともに順調に生育しています』とのことでした。
では、気になるエアレーション作業についてはどうなのでしょうか。