競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「開催最終週となるジャパンカップ週の馬場」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
いよいよ今週末はジャパンカップ! 今年は例年以上に注目を集めそうですよね。オーギュストロダン、ゴリアット、ファンタスティックムーン、3頭の外国馬が参戦。なかでもやはり大注目なのはGI・6勝を誇るディープインパクト産駒、オーギュストロダンでしょう。
1981年に国際競走として創設されたジャパンカップ。近年は日本馬の活躍が目立ち、外国馬の勝利は2005年のアルカセットが最後。2006年以降の18回はすべて日本馬によるワンツーフィニッシュ。2006年以降で3着に来たのは2006年に3着に入ったウィジャボードのみです。
外国馬の結果が出ない背景としては、日本と海外の芝コースの状態が異なっていることが1つの要因として挙げられると思います。
近年、馬場の管理技術が向上し、日本の芝コースは傷みにくくなってきています。ジャパンカップが行われる5回東京開催最終週まで芝が良い状態を保てるようになって、速い時計が出るようになっています。2018年にアーモンドアイがマークした2分20秒6は芝2400mの世界レコードです。
オーギュストロダンは日本競馬の至宝、ディープインパクトの子供ですし、管理するエイダン・オブライエン調教師は折に触れて、「オーギュストロダンは速い馬場が好み」と話しているので、今回の参戦は本当に楽しみですよね。週末までワクワクしながら、予想していきたいと思っています。
そのジャパンカップの舞台となる東京芝コース。先週は土日で13鞍の芝レースが行われ(土日とも良)、逃げ2勝、先行10勝、中団1勝。1着13頭中12頭は4コーナーで4番手以内。先週はCコース替わりで、内目を伸びる先行系が優勢になっていました。
なお、1着13頭中8頭は5枠から外の馬でしたが、土曜に7枠と8枠から勝った4頭はすべて2番人気以内でした。ちなみに、土曜の最終レースを14番人気で勝ったナファロアは1枠から先行抜け出し。日曜の2Rを10番人気で勝ったロートホルンは2枠から逃げ切り。Cコース替わりで、内枠馬が穴を開けていました。
この秋の東京芝は4回1週目と5回1週目に道悪で施行するタイミングがあったものの、それ以外の5週間は土日とも良馬場で施行できており、良い状態をキープしています。先週は15日(金曜)に5.5ミリの雨が降り、土日の含水率は5回2週目より少し上がりましたが、それでも速い時計が出る状態。
今年はここまで、本年同様に状態が良かった昨年の同時期と同じくらいの時計が出る状態で推移しています。
では、今週はどんな馬場になりそうでしょうか。