競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「なぜ、今年の中山金杯はBコース施行だったのか」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
気づいていた方が多かったと思いますが、今年の中山金杯はBコースでの施行でしたね(例年はCコース)。例年、1回中山開催はすべてCコース使用。しかし、今年は1週目(1月5日と6日)のみBコース使用。2~4週目までがCコース使用となります。
ちなみに、中山金杯がBコース施行なのは2003年以来でした(2003年は東京競馬場のスタンド改築工事の影響で、当時の中山競馬は2002年秋から2003年春まで7連続開催でした)。
Bコースは最内から3m、Cコースは最内から6mの所に柵を設置するため、Bの方が前開催の傷みをカバーしきれない箇所がどうしてもでてしまい、今年の1回開催前、JRAのホームページには「3~4コーナーの内柵沿いに傷みがある」と記されていました。
現に芝の内側は3~4コーナーを中心に、コース替わりでもカバーしきれない傷みが少し残っており、芝の塊が少し飛んでいました。昨年12月同様に基本的には速めの時計が出る馬場でしたが、例年と違ってBコーススタートだったことと、1月6日(月曜)に降った雨の影響で、今年の1回中山開催1週目は昨年の同時期ほど時計は速くありませんでした。
なぜ、今年は1回1週目がBコースだったのでしょう。理由を中山競馬場の馬場担当者に聞いたところ、「今年の皐月賞をCコースで行うことになり(例年はBコース3週目で施行)、傷みやすい時期の開催ということもあって、1回中山開催にBコースを1週挟む形にして、各コースの使用別日数を均しているため。また、今年の1回中山開催は9日間と長いので、傷みを分散させる狙いもあります」とのことでした。
ここで、“皐月賞をCコースで行うということはフルゲートが17頭になってしまうの?”と心配になる方がいると思いますが、安心してください。中山芝2000mは今年からCコースの出走可能頭数が17頭から18頭に変わっています。
なお、来年の中山金杯もBコース施行なのかどうか。これについて馬場担当者は、「使用コースの設定は年間の開催日程が大きく関わってきます。現時点で来年の競馬開催日程が未定のため、なんとも言えません」とのことでした。
そして気が早い話ですが、皐月賞がCコースで行われることで、ある点に注意する必要があるでしょう。結論から先に書くと……、