競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「稍重だとなぜか時計がかかる京都のダートコース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今回は京都のダートコースについてお伝えします。気づいている方もいると思いますが、京都のダートコースでは稍重の時に時計がかかるという興味深い現象が起きています。
1回京都開催の1週目と2週目にダ1800mで行われた3歳未勝利戦のタイムを比較します。
良馬場だった2月1日(土曜日)に実施された2Rの勝ち時計は1分54秒6。稍重だった2月2日(日曜日)に2つあった3歳未勝利戦の勝ち時計は1Rが1分55秒6。3Rは1分56秒5。
稍重だった2月9日(日曜日)の2Rの勝ち時計は1分56秒6。良馬場に回復した2月10日(月曜日)の1Rの勝ちタイムは1分54秒5でした。
普通、ダートは良馬場より稍重や重といった道悪の方が時計は速くなりますよね。しかし、今の京都ダートは稍重の場合、未勝利戦以外のレースでも時計が少しかかっているのです。
そして、これはこの京都開催に限った話ではなく、ダートの路盤改造工事を行った2023年春以降、起きている現象。雨が降っても量が少なかったり、稍重くらいの状態だと時計がかかるケースが出現しているのです(ただし、重や不良になるとさすがに時計は速くなる)。
念のためお伝えしておくと、この1回京都開催1週目のダートではまだ凍結防止剤は散布されていませんでした(2月8日土曜日に凍結防止剤を散布)。
では、なぜ雨の量が少ない時や、稍重の際に時計がかかるようになるのでしょうか。