競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「フェブラリーSが行われる東京ダートコースの最新事情」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週末はJRA今年初のGIレース・フェブラリーステークスが東京競馬場で行われますね。今回はその舞台となる東京のダートコースについてお伝えします。
JRAは今年からホームページの馬場情報の中にある“ダートコースのクッション砂について”というコーナーで、各競馬場のダートコースで使用するクッション砂の産地を公表しているのをご存知でしょうか。「補充砂について」をクリックすると、各競馬場で使用する砂の産地とその割合、砂の特徴が掲載されています。
▼JRAホームページ/馬場情報
ダートコースのクッション砂について
そもそもJRAのダートコースは、昔は関東なら利根川、関西では木曽川の川砂を使っていた時代もありましたが、環境保護の理由などから採れなくなり、1990年以降は良質で安定的に産出されるようになった青森県産の砂が使われるようになりました。この青森県産はJRAが砂に求める条件を満たす理想的なもので、長い間全10場で使用されてきました。
しかし近年、良質なクッション砂の産量が低下しているため、実は2020年頃からは各競馬場で、青森県産以外の砂も足しているのです。
東京競馬場では2021年から愛知県瀬戸市の珪砂と新潟県信濃川の川砂を混ぜるようになりました。以降、青森県産の砂の割合は少しずつ減ってきており、JRAホームページによると、現在の割合は青森県産が75%、愛知県産が20%、新潟県産が5%となっています。
愛知県瀬戸市の珪砂に関しては、名前を聞いたことがある方もいると思います。現在、名古屋競馬場や笠松競馬場、金沢競馬場で使用されている愛知県瀬戸市の砂も珪砂です。珪砂はその見た目から“白い砂”と評され、SNSで話題になる事も多いですよね。なお、地方競馬場ではこれらの珪砂が単体で使用されています。
近年、東京競馬場のダートコースで青森県産以外の砂が使用されるようになり、時計面に影響が出ているのか。気になる方がいると思います。結論から言うと……、