競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「JRAレコードがマークされた東京芝コース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週から東京競馬場では5週連続でGIレースが行われ、競馬が最も盛り上がる季節ですね。その東京芝コース。先週はレースが11鞍あり、逃げ1勝、先行5勝、中団2勝、後方3勝。 開幕週より先行系が残っていたものの、差しも届いており、様々な脚質の馬が勝っていました。
1着11頭中9頭は上り3ハロン2位以内で、今の東京芝は瞬発力や決め手が求められる馬場です。
そして、開幕週同様に時計が速かったですね。京王杯スプリングCの勝ちタイム1分18秒3は芝1400mのJRAレコード。2002年にマグナーテンが新潟競馬場で記録した1分19秒0を0.7秒更新。他のレースでも速い時計が出ており、 今の東京はまだ内目も伸びるし、とても状態が良いようです。
先週はレース前日の金曜に51ミリもの雨が降ったにも関わらず、JRAレコードが出たことに驚いた方が多かったようです。しかし、東京芝コースの乾きが早いのは最近に始まったことではありません。
東京競馬場の芝コースの路盤には全周に渡り暗渠管が設置されており、もともと排水性が良いです。梅雨時などで芝が傷んでいる時や冬場は乾きが遅くなるケースもありますが、基本的に芝が良い状態で雨が止むと、乾きが早いです。
ジャスタウェイが勝った2013年の天皇賞(秋)は前日に54ミリの雨が降って土曜の芝は不良でしたが、天皇賞は良馬場で行われ、私もその回復力に驚いた事を覚えています。また、2019年10月12日(土曜)には台風の影響で約300ミリもの大雨が降り、土日の開催は中止となりましたが、順延となった14日(月曜)の朝は良に回復していました。