競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「春の東京芝コース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週末はいよいよ日本ダービー! 毎年言っていますが、日本ダービーだけはなんとしても当てたいですよね! そこでまずは、ここまでの春の東京芝コースを簡単に振り返りましょう。
この春の東京芝コースはフローラS、京王杯SC、エプソムCと、開幕週から3週連続でレコードが出る高速馬場でしたね。
しかし、先々週は土曜の雨量が多く、午後まで降ったため、良に回復していった日曜も外差し傾向になるなどの影響が残り、真ん中から外枠の馬が台頭。ヴィクトリアマイルの3着以内はすべて二桁馬番でした。
そして、先週は土曜夜から日曜朝まで計23.5ミリの雨が降って、オークス当日は稍重スタートで始まり、9レース以降は良に回復しました。しかし、オークスの勝ちタイムは2分25秒7ですから、やはりパンパンの良馬場ではなく、少し時計がかかっていましたね。
そして勝ったカムニャックは7枠15番。馬場の6~7分くらいから伸びて来ました(個人的には7枠13番のタガノアビーが後方から直線は内を突いて伸びてきていたのが一番、驚きましたけど)。
東京芝コースはここ数週間、雨の影響を受ける中でレースを行ってきた影響で、先週日曜のレースでも内側を開ける進路取りが見られたように、多少内目が荒れてきていました。
しかし、今週から芝はCコースに替わります。内側から6mの所に柵を設置するので、前週までの傷みがカバーされます。基本的に野芝は4月頃から新芽を伸ばし始め、初夏の5月から6月初旬にかけて生育が旺盛になります。ですから、この時期の東京芝コースも天気が良ければ週の中間にも生長が期待できます。
このCコース替わり週は例年、前の週より時計が速くなり、少し内にシフトしやすいです。そして良馬場であれば速い時計が出て、瞬発力がある馬向きの馬場になりやすいです。
ただし、天気予報によると今週末も雨が降る可能性がありますね。レース中に雨が降ったり、その影響が残った場合は先々週や先週のような外伸びになる可能性があるので注意したいところです。
ではここからは、過去と現在の馬場傾向から、日本ダービーの狙いをお伝えしていきましょう。