競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「宝塚記念が2週目に移行した阪神芝コース」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から始まった3回阪神開催。芝のレースは11鞍あり、逃げ2勝、先行6勝、中団3勝。1着11頭中8頭は4コーナーで4番手以内。
近年の阪神芝の傾向らしく、良の土曜は時計が速く、1着はすべて内~3分くらいを伸びる先行系。朝から雨が降り5レース以降稍重になった日曜は少し外目(2~4分)にシフトし、中団差しが台頭していました。
そして、今週末は上半期を締めくくる宝塚記念が行われます。昨年から暑熱や梅雨の影響を考慮して、実施時期を2週間繰り上げて実施されるようになりました。
馬場的にはこの2週間はとても大きく、昔の宝塚記念のイメージをリセットして、予想した方が良いです。
振り返ると、宝塚記念は一昨年までは6月の阪神開催最終週の施行でした。梅雨時期の最終週ということで、過去には馬場が傷んだ状態になるケースが多かったですよね。
実際、2013年から2017年の宝塚記念では5年連続で8枠馬が勝利。この頃の勝ち馬を見ると、2013年と2014年に連覇したゴールドシップや2017年のサトノクラウンなど道悪巧者が名を連ねています。
阪神芝コースは6月開催が終わった後、秋開催まで約2か月しかないため、夏季の芝張替時間が中山や京都競馬場と比べると短いです。そのため以前は張替面積が多くなく、開催後半になると傷みが進み、“力の要る馬場”になることが多々ありました。
そこで阪神競馬場では2016年以降、数年かけて場内にある芝の養成地を増やし、張替作業の効率化も図って、張替面積を増やしています。その養成地に導入されたのが、当コラムでも度々登場している、傷みにくい芝である“鳥取産野芝”です。
また、以前は行っていなかった冬の芝張替を導入するなど、新しい取組も実施。様々な作業の変化や地道な努力によって、近年の阪神芝コースは以前と比べると本当に傷みにくくなりました。
その影響は宝塚記念にも表れており、2022年にはタイトルホルダーが2分9秒7のレースレコードで優勝。昨年は稍重でしたが、メイショウタバルが2分11秒1で逃げ切りました。
阪神芝の張替面積が増えた2017年から2025年の宝塚記念、計8回(2024年は京都で施行)の脚質別成績は逃げ1勝、先行5勝、中団2勝。このうち、良で行われた2019年、2021年、2022年、2023年の3着内馬12頭中8頭は4コーナーで5番手以内。
稍重で行われた2017年、2018年、2020年の3着内馬9頭中6頭は4コーナーでは6番手以下で、7枠や8枠などの外目の枠の馬が台頭していました。
ということで、近年の宝塚記念は、“良馬場ならば先行系や内枠の粘り、道悪なら中団馬や真ん中~外枠に注意”でした。
ただし、昨年から宝塚記念の施行が2週間繰り上がりとなり、傾向が変わっていく可能性があります。
