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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2026/06/11 (木)

英米クラシック振り返り/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは、先週行われた英オークス、英ダービー、アメリカクラシック三冠の最終戦ベルモントSの振り返りです。



先週末は、競馬大国のイギリスとアメリカで3歳馬のクラシックレースが行われました。

現地時間の5日、英エプソム競馬場で行われたG1・英オークス(3歳牝馬・芝12F6Y)を勝ったのは3番人気サンダリングオン(ジョセフ・オブライエン)でした。

稍重のコンディションの中、9頭立ての最後方からレースを進めると、各馬が横に広がった最後の直線では馬なりで2番手まで浮上。残り1Fで鞍上のD・マクモナグル騎手が追い出すと、母がフランケルの全妹というジャドモントの良血馬レガシーリンク(J&T・ゴスデン)をあっという間に抜き去り、最後は3馬身3/4差をつけての圧勝でした。

サンダリングオンは、父がフランケル、母は2021年の愛G1・プリティポリーSの勝ち馬サンダリングナイツで、母もJ・オブライエン厩舎の管理馬でした。4月の愛G3・サルサビルS(芝10F)で4戦目にしてキャリア初勝利をあげ、一気に連勝で英オークス馬となりました。

次走は母も勝っているプリティポリーS(6/27・カラ芝10F)か、愛G1・アイリッシュオークス(7/18・カラ芝12F)が候補に挙がっています。

同じエプソム競馬場で翌6日に行われたG1・英ダービー(芝12F6Y)。この日のエプソムダウンズは強い雨が降る荒れた天気で、英ダービーの前に行われたG1・コロネーションC(芝12F6Y)では、重い馬場に苦しんだカランダガンが勝ち馬から40馬身以上の差をつけられ4着に敗れるという波乱がありました。

降り続く雨でさらに馬場が悪化した中での英ダービーを制したのは、ロナン・ウィーラン騎手が騎乗したクリスマスデー(A・オブライエン)。2番手から直線入り口で先頭に立つと、最後まで後続を寄せつけず、2着馬に2馬身3/4差をつけ勝利しました。

管理するA・オブライエン調教師は英ダービー4連覇で12勝目。今年は4頭出しでしたが、当初1番人気に支持され10位に入線したベンヴェヌートチェッリーニ(R・ムーア)は、左後肢がゲートに引っかかった状態でスタートが切られ「公正でなく勝つ可能性に影響を及ぼした」としてレース後に出走取消となる出来事がありました。

勝ったクリスマスデーは、父がキャメロット、母の父がシーザスターズという血統で、キャリアの初勝利も不良馬場という重馬場巧者ぶりを大舞台でも発揮しました。2分43秒75という勝ち時計は過去42年の英ダービーで最も遅いタイムだったということです。次走は、27日に行われる愛G1・アイリッシュダービー(カラ芝12F)が有力となっています。

一方、日本時間の日曜朝、アメリカクラシック三冠の最終戦ベルモントSが、改修中のベルモントパーク競馬場に替わり、今年もサラトガ競馬場のダート10Fを舞台にして行われました。

2冠目のプリークネスSはケンタッキーダービー上位馬のほとんどが回避しましたが、今回はゴールデンテンポとレネゲイドのケンタッキーダービーの1、2着馬など上位馬が揃い、再戦ムードが高まりました。

ケンタッキーダービーは負けて強しの内容だったレネゲイドが今回も1番人気になったのに対し、現地9番人気からケンタッキーダービーを制したゴールデンテンポは今回も4番人気にとどまりました。

小雨が降る中、9頭立てで争われたレースは、大外枠のゴールデンテンポが外にもたれるようなスタートとなり、今回も最後方からの競馬に。その1列前にレネゲイドとコマンドメントが並走し、ケンタッキーダービー4着のチーフワラビーは中団からレースを進めました。

3コーナー手前からレネゲイドが先に仕掛けると、少し遅れてゴールデンテンポとコマンドメントも進出。4コーナーでは、外からコマンドメント、ゴールデンテンポ、レネゲイドの順に3頭が並び、内の各馬を捲るようにして直線へ向かいました。

馬場の真ん中から先に抜け出そうとするチーフワラビーを外から捲った3頭が捕らえた後、レネゲイドが3頭の争いから脱落。ゴールデンテンポとコマンドメントの2頭が抜け出しましたが、ゴールデンテンポが最後にコマンドメントを突き放し、1馬身1/4差で完勝しました。レネゲイドは2着コマンドメントから4馬身差の3着。

終わってみれば、ゴールデンテンポがケンタッキーダービー以上の完勝劇を見せ、ケンタッキーダービーに続く2冠を達成しました。

この日は、同じくサラトガで行われた3歳G1・ウッディースティーヴンスS(ダート7F)も管理馬イングリッシュマンが勝利したシェリー・ドゥヴォー調教師。1日でG1を2勝した初の女性トレーナーとなるとともに、2023年にアルカンジェロでベルモントSを制したジーナ・アントヌッチ調教師に続き、2人目のベルモントSを制した女性トレーナーとなりました。

ゴールデンテンポの今後については、8/1にサラトガで行われるG2・ジムダンディS(D9.5F)から、8/29に同じサラトガで行われる3歳馬による“ミッドサマーダービー”G1・トラヴァーズS(ダート10F)を大目標にするということです。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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