★ピックアップレース★
12月4日中京9R 3歳以上1勝クラス 芝1600m良
注目馬:16ソウルラッシュ
※展開上の注目馬は15ディープリッチ
買い目
単勝 16 2000円
複勝 16 3000円
ワイド 16―5・15 各500円
馬連 16―1・2・5・6・15 各500円
三連複 15―16―1・2・5・6 各300円
三連複 5―16―1・2・6 各100円
─実はこれまでの取材で、何度もみねたさんの口から出ているのに、紙幅の都合もあり、触れてこなかった項目があります。それは、「先行馬の並び」。展開を決める上で重要な要素なので単独のテーマとして取り上げたいと思っていました。
みねた) そうですね。勝負レースの選定に大きく関わっているので、先行馬を狙う時は必ずお話ししているかと思います。
─では早速、先行馬の並びと狙い方について簡単に説明していただけますか。
みねた) まずはいつも通り「先行意識の高い馬」をカウントして、次にその馬たちがどの枠に入っているかをチェックします。2番、5番、8番という具合にとびとびに入っているか、2番3番4番という具合に並んでいるか。基本原則は、先行馬がとびとびに入っている=有利、並んで入っている=不利、です。
─手元にある取材メモをパッと眺めただけでも、金言4で取り上げた能勢特別のところに「先行馬とびとび→ゆっくり」と書いてありますし、福島記念についても「先行馬がとびとびで逃げやすい」とあります。どういうメカニズムなのでしょうか?
みねた) すぐ隣に馬がいると競られる可能性もあるし、どちらかの馬がヨレれば不利をまともにくらってしまいます。同脚質の馬が隣にいると、自分の都合だけで競馬ができないということですね。逆に、枠が離れていれば、お互いの動向を見やすく、先行馬同士が共存する可能性が高まります。例えば12月5日の中京12R鳴海特別は、2番と16番が好スタートを切って先頭2番手からワンツーしましたが、もし2頭の枠順が並びだったら、共存できずにどちらかが沈んでいた可能性は高いでしょう。
─寄られる不利は運の範疇だと思っていました。そんな小さな不利の可能性まで想定していらっしゃるんですね。
みねた) 競馬だから不利を完全に避けることはできませんが、それでも避けられる可能性のある不利は極力減らしておきたい、100レース馬券を買ったとして不利によって1レース当たったか当たらないかで馬券収支は大きく変わると考えています。この応用として、先行馬が複数いる時、一頭だけ離れた枠に入った馬は有利になります。
─ちょうど先週の配信レース(12月4日中京9R)が、そういった並びだったので、少し解説していただけますか?
みねた) はい。このレースで「先行意識の高い馬」は、1番ユキノフラッシュ、2番フロイング、5番ブレーヴジャッカル、6番アンフィニドール、15番ディープリッチの5頭。16頭中5頭と出走馬の3分の1以下なので、先行有利の展開になると想定しました。では、5頭いる「先行意識の高い馬」の中で、一番楽に競馬を進められそうなのは?
─1番2番、5番6番は並びなので、唯一離れた枠にいる15番ディープリッチですね。
みねた) その通りです。5頭の中でも特に6番と15番のハナ争いになると想定していて、その場合、外から被せていけるという点でも15番の方が有利。また、仮にハナを取れなかった場合でも15番なら、スムーズに道中で動いていけるだろうという見立てもありました。15番がハナを切って前を制する流れなら、15番を目標に乗れる16番のソウルラッシュも有利。馬券的には、紐の絞りやすさを考慮して、◎は16番ソウルラッシュとしました。
─金言4「決着形を意識して馬券を組み立てる」ですね。結果は15番がハナを取りきれませんでしたが、道中で動いていく形になって、その後ろで脚をためていた16番ソウルラッシュが見事に差し切りました。
みねた) 前走7着で現級実績もない馬だったので、単勝3.9倍とは想定外でした…。このレースは、想定通りの展開になったわけではないですし、馬券的にも会心の的中というわけではありませんが、「先行馬の並び」を意識する上では、いい例だと思います。
─先に挙げた能勢特別は「先行意識の高い馬」が2番、4番、6番とバラけた配置で、逃げた4番が3着、2番手の6番が1着と共存しました。8番パンサラッサを注目馬に挙げていた福島記念も「先行意識の高い馬」が2番、5番、8番、15番、16番という並びで、真ん中にポツンと配置された8番のパンサラッサが逃げ切り。みねたさんの的中例を遡っていけば、先行馬の並びを強く意識していらっしゃるのが、よく分かります。
みねた) 正面から撮ったパトロールビデオだとよく分かるのですが、スタートって、意外とまっすぐ走っていないんですよ。もし競馬がセパレートコースで行われる競技であれば、そこで不利を受ける心配はありませんが、おそらく人気決着ばかりになるでしょう。オープンコースだからこそ、多くの紛れがあり、波乱の余地が生じるのです。馬同士が並走するというのは、その紛れを誘発する最たる要素で、常に物理的な不利を受けるリスクに晒されています。このことを意識した上で先行馬の並びを見るだけでも、展開読みの精度は大きく変わってくると思いますよ。
★今週の重賞ピックアップ★
12月12日阪神11R 阪神JF 芝1600m
▲阪神芝1600m枠番別成績(集計期間:2016. 2.27~2021.12. 4)
阪神芝1600mはコース改修後、枠による大きな有利不利はなくなりました。したがって内か外かというよりも、どういう並びになるかが勝敗の鍵となりそうです。
2歳戦はどうしても先行して勝ってきた馬が多いので、「先行意識の高い馬」の占有率が高まります。それだけに、「差して勝ってきた」という経験のアドバンテージは大きく、このレースも例外ではありません。馬券の軸は差し馬から取るのが無難でしょう。
前走差し切り勝ちのサークルオブライフ、ナミュールは当然有力候補で、ステルナティーア、ベルクレスタなども前走こそ3番手からの競馬でしたが、それ以前に差し経験あり。これらの馬は枠順と並び次第で戦法も変わりそうです。
上位陣は拮抗している印象なので、その中で「逃げ挟み」など有利な並びの馬番を引けた馬、そしてオッズ妙味のある馬をしっかり選別するのが勝利の近道でしょう。
【注目馬】
1ナムラクレア
10サークルオブライフ
11ラブリイユアアイズ
16ベルクレスタ
17ナミュール
サークルオブライフ、ナミュールは内の各馬の出方を窺いながら競馬が出来る枠に入り、馬券の中心は差し馬で変わらずだが人気になっているので、穴をあける展開を考えると人気の差し馬が動きやすい枠に入り力もあるので同じような競馬をする馬では逆転は難しいと思われる。穴を狙うのであれば内で上手く立ち回り勝負所で自分から動ける経験値のある馬に注目する。
※最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【第7回】阪神JF展望&先行馬の並びが展開を決定づける/馬券師・みねたの金言
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。