プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“ダートを使うと先行力が鍛えられる”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
6月7日 東京11R 安田記念 芝1600m
安田記念は東京芝1600mで施行。初角となる3コーナーまで500m以上と距離がたっぷりあるため、先行争いにおける内外の有利不利はそれほどありません。
登録20頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。先行馬占有率が高くないので、ある程度、前で運べるタイプにアドバンテージがあるでしょう。
マイルの絶対王者ジャンタルマンタルが不在で、傑出馬不在の混戦ムードの一戦ですが、その中で1番人気となりそうなのはアドマイヤズーム。昨年の朝日杯FSの勝ち馬で、前哨戦のマイラーズCでも1番人気に応えています。実績はメンバー上位ですし、先行力がある点で展開も向きそう。あとは想定1番人気・4.8倍のオッズが見合うかどうか。
展開利を重視するなら、京王杯SCで逃げ切り勝ちを収めながら、想定6番人気・13.9倍のワールズエンドに賭ける手もありそうです。
想定2番人気はトロヴァトーレ。東京コースで重賞を連勝中。2走前は今回と同条件となる東京芝1600mであり、舞台が合っていることは間違いありません。ただ、重賞連勝という戦績は嫌でも目立つため、オッズが甘くなる要素もありません。非常に扱いの難しい存在です。今年のメンバーで5倍前後のオッズなら、この馬を軸にして、組み合わせで期待値を取りにいくという選択肢もあるかもしれません。
想定3番人気はガイアフォース。昨年は安田記念、マイルCSともにジャンタルマンタルに次ぐ2着ですから、ここでは実績最上位と考えてよいでしょう。7歳を迎えますが、衰える素振りもみせないのは、キタサンブラックの血がなせるわざでしょうか。確かな先行力を備えているので展開面も有利に働きそうで、想定6.9倍なら期待値はあるとみます。
パンジャタワーは昨年のNHKマイルCの勝ち馬ですから、東京芝1600mをこなす下地はあります。ただ、その後に距離を縮めていたのは事実で、2ハロン延長で東京芝1600mのG1に挑むというローテーションは楽ではありません。例年であれば嫌いたいところですが、今年のメンバーレベルなら足りる可能性もあり、最後まで扱いを検討したい1頭です。
どの馬にもチャンスのあるメンバー構成なら、注意を払いたいのが別路線組。特にメンバーレベルの高い中距離路線から向かってくる馬はチェックしておきたいところです。
セイウンハーデスは大阪杯でクロワデュノールと0.4秒差。それも3-4-3-4とスムーズさを欠いてのものですから価値があります。2走前、3走前にハナを切っているように確かな先行力を持ち合わせており、この短縮ローテは魅力的。想定9番人気・23.9倍は甘いのでは。
同じく大阪杯組ならレーベンスティール。正直、マイルでの2戦が負け過ぎなのは気になります。ただ、大阪杯5番人気から今回の想定7番人気は、押し引きの呼吸としては、“買い”のタイミングには思えます。
ステレンボッシュはエプソムCでトロヴァトーレとタイム差なしの2着。復活の狼煙をあげました。桜花賞馬であり、東京でオークス2着という実績もありますから、これくらいは走れて当然の実力を持っています。復活のタイミングでレーン騎手への乗り替わり。想定8番人気・16.7倍なら完全復活の一発に賭けるのも面白そうですね。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言236
ダートを使うと先行力が鍛えられる
★ピックアップレース★
5月9日 東京6R 3歳1勝クラス 芝1800m 良
◎6ホールドザデイ
高○8マイネルシンベリン
穴▲1セイウンラピス
△11リッツパーティー
☆12アメテュストス
注10デイトナチャンプ

―今回は5月9日の東京6Rを取り上げます。△→◎→☆の決着で、馬連73.9倍、3連複113.5倍だったのですが、とにかくお見事だったのは、初芝で8番人気(27.2倍)だったホールドザデイへの◎です。手元にあった競馬新聞ではきれいな無印だったので、「よく、ここに◎を打てたな」と感心しました。
みねた)まず、持ち人気のなさには目がいきますよね。未勝利戦を1番人気1着で勝ち上がったのに、昇級戦では13番人気。前走1着馬は基本的に人気になりやすく、また未勝利の内容も4-4-5-4から上がり最速で差し切る強いもの。そこまでに掲示板外もなかったのに、昇級戦で13番人気にとどまったという事実から、いかにこの馬が人気になりにくいキャラクターかがわかります。
―期待値がありそうなタイプだというのはわかりますが、◎で狙える根拠とまでは言えない気がします。
みねた)この馬は私が活用しているAIで高評価をされていました。なぜ高評価されていたのか、その理由を推測してみるのも面白いですよね。考えられるのは、1つには前走内容。8-7-5-3と道中で押し上げていっていることが評価されている可能性はあります。一般的に、流れが厳しくなる昇級戦で、負荷の大きな道中の押し上げを仕掛けると、結局、押し上げ切れずに大敗するケースは少なくありません。おそらく、8-8-8-8で進めれば5着ぐらい、あるいはもっと上位に来ていた可能性が高いでしょう。8-7-5-3と押し上げての1.2秒差は、それと同等以上の評価ができる内容です。
―着順の数字以上に価値があった、と。
みねた)デビュー2戦目の東京ダート1600mで4-4と先行していた点にも注目です。仮にここで12-12みたいな通過順位だったら、ここで狙っていないかもしれません。
―どういうことでしょうか?
みねた)前提として、スタート直後のダッシュに関しては、芝馬よりもダート馬の方が速いんです。新潟の千直でも、ダート短距離を使っていた馬がダッシュを効かせて、そのまま穴をあけることって多いじゃないですか。
―確かに。
みねた)泥の上を走るのとアスファルトの上を走るのを想像してみてください。アスファルトはしなやかさとかバネで進んでいけるのに対して、泥の上だと脚力=筋肉が必要です。それと同じで、芝よりもダートの方がパワーがいるので、自分の力を使って進んでいく必要がある。だから、ダートを使うことによって、テンから自分で動かしていく瞬発力、要するにすぐにスピードに乗る才能が鍛えられるわけです。
―一般的に、芝→ダート替わりだとスピード負けが懸念されますが、それは時計的な話であって、ゲートから出て200mぐらいまではダート馬の方がむしろ速いことの方が多い、と。
みねた)そういうことですね。テンのダッシュ力のある馬が多いダート戦において、芝スタートの東京ダート1600mで位置を取れているということは、芝適性を感じさせるのと同時に、この馬自身の高い先行力の証明でもあります。
―初芝のここでも、先行できる可能性が高いことは予見できたということか。
みねた)はい。ダートで培った先行力を生かして2番手を取り、その位置取りの利を生かし切ってくれました。先行馬占有率的には特に前有利というメンバー構成でもなかったのですが、大前提として競馬は前に位置する馬の方が有利なので、先行できそうな馬が人気薄であれば、その段階で期待値があります。ましてや前走は道中で押し上げて4コーナー3番手だった馬が、今走ではゲートを出てすぐに2番手を取れた。そりゃあ、馬は楽に感じるでしょう。
―昔から、仕掛けて位置を取るのと、スムーズに位置を取るのでは、同じ番手でも消耗度が違うとおっしゃっていましたもんね。
みねた)戦歴を振り返ってみると、ホールドザデイって、基本的にスタートを決めて先行できた時はバテていないんですよ。デビュー戦と前走は道中で押し上げたことで甘くなりましたが、デビュー2戦目4戦目は前目の位置を取って好走。3戦目の未勝利戦も2番手でハイペースを演じながら、差し馬が掲示板独占のレースで4着に粘っています。その特性から、芝替わりで前に行ければ、十分に粘り込みもあり得ると考えられました。―ダートを使うことで先行力が強化されるという視点は面白いですね。ただ、それでもなお、ホールドザデイに◎を打つのは難しかったように思えます。
みねた)確かに馬単体でみると、そうかもしれません。言うなれば、このレースは「ホールドザデイの期待値が高いから勝負レース」というよりも、「レース全体としてみた時、総合的に期待値が高いから勝負レース」というイメージでしたね。
(次回に続く)
