「競馬はギャンブルである」というのは大前提で、ギャンブルだからこそ莫大なお金が動き、競走馬たちが生きていくことができる…。
それは重々承知しているのですが、私はどうしても“思い入れ馬券”をやたらと買ってしまいます。多分、「競馬好きが記者になった」のではなく「記者になって競馬が好きになった」からだと思うのですが、新聞に印を打つ上で“思い入れ”は適切ではないですよね。なので、自分が勝手に買う馬券と、紙面上の印は分けているつもりなんですけど…。本命対抗を迷ったときや、抑えの△をつけるときは、やっぱり感情が入ってしまっている気がします。
でも、なんの裏付けもない訳ではないんです。
高松宮記念の本命と対抗は東スポ(大スポ)の紙面を見ていただければと思うのですが、馬券の買い目に入れておきたいのがボンボヤージ。
北九州記念の単勝万馬券はハンデと枠順にも恵まれたハマり勝ち? いえ、それも勝因のひとつかもしれないけれど、ただハマっただけで勝てるほど重賞は簡単ではないはず。約半年ぶりのコンビ再結成だった川須騎手が、コンビを組めていなかった3戦(オーシャンS、パラダイスS、福島テレビOP)の間も『調教は僕にやらせてください』と厩舎に足を運び、つきっきりで過ごしてきた日々が身を結んだ結果でもあると思いました。
追い切りになると我の強さを出すため、角馬場で時間をかけて気持ちや体をほぐしてから行うことも多く、決して簡単ではないボンボヤージ。今や中堅の騎手である川須騎手がそのために捻出していた時間というのは、相当貴重なものでもあったに違いないからです。
▲ボンボヤージを一丸となって調整してきた川須騎手と梅田厩舎陣営
人の思いが馬に通じて実を結ぶ事はあるんだと思いましたし、小倉の千二は今は亡きボンボヤージの全兄ファンタジストが初めて重賞を勝った舞台でもあったので、感動もひとしおでした。よく、横山典弘騎手が『ジョッキーや馬は運を持っているか、持っていないかも大事だ』と仰っているのですが、そういう意味でボンボヤージは“持っている馬”だと思いましたね。
今回のメンバーで、ボンボヤージが17番枠から勝つのは、私も正直難しいと思います。いくら北九州記念で16番人気を覆して勝ち、ナムラクレアに先着したとは言ってもです。
ただ、高松宮記念はロードカナロア産駒が強いレース。今回、ロードカナロア産駒はキルロード、ファストフォース、ボンボヤージの3頭。どれもそれほど人気はしないでしょうが、自分の推し馬を買い目に入れてみるのもありだと思うのです。
思い入れのある馬を買い目に入れてもいいじゃない?/大スポ・赤城記者の栗東トレセンレポート
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。