YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは9/26(木)の船橋・マリーンC。発走時刻は20時05分です。
~3歳牝馬限定重賞に条件変更~
2024年から3歳牝馬限定の地方交流重賞となり、コースも船橋ダ1800mに変更となったマリーンC。1着馬にはJBCレディスクラシックへの優先出走権が付与されることから、同レースへのステップレースとして立ち位置が大きく変わりました。
船橋競馬場は1周距離1400mという全JRA競馬場よりコンパクトな競馬場ですが、4角からゴールまでは中山競馬場と同じ308mの長さがあり、コーナーにはスパイラルカーブが採用されています。そのため、残り800mからのスパート開始後はスピードが落ちづらく、直線で馬群がバラけやすいことからも全馬が能力を出し切りやすい競馬場です。
特に1800mはスタートから1角までの距離が長いため、先行争いが長引きやすく、船橋競馬場のなかでも特に差し追い込み馬の好走率が高いコースのひとつ。同コースで行われる牝馬重賞クイーン賞でも5番人気以下の人気薄の好走は過去10年で6頭のみ。まずは各馬の能力比較から、適性や展開などで逆転可能な能力差かどうかの線引きが必要なレースといえそうです。
~中長距離実績に注目!~
船橋ダ1800mはマイル以下のワンペースな競馬とは異なり、中盤で息が入りやすく、1700m以下で実績を挙げてきたスピード馬よりも、1800m以上で活躍してきた中長距離馬の方が好走率が高いのが特徴です。
ローテーションが限られる3歳限定重賞のため、他の船橋ダ1800m重賞よりは距離延長馬の好走例が多くなりそうですが、本質的には中長距離向きの適性が求められるコースであることに変わりはなく、クイーン賞での3歳好走馬もほとんどが2000m以上での好走実績がある馬でした。
◆中長距離実績(クイーン賞の3歳好走馬)
2015年1着ディアマイダーリン:フローラS2着(芝2000m)
2016年2着タイニーダンサー:関東オークス1着(ダ2100m)
2017年2着アンジュデジール:関東オークス2着(ダ2100m)
2019年3着ラインカリーナ:関東オークス1着(ダ2100m)
2022年2着グランブリッジ:関東オークス1着(ダ2100m)、ブリーダーズGC(ダ2000m)
2023年1着ライオットガール:レパードS1着(ダ1800m)
2023年3着パライバトルマリン:関東オークス1着(ダ2100m)
~マリーンC≒ベルモントS!?~
マリーンCと同コースで行われるクイーン賞ですが、3歳馬と古馬では成長スピードの影響から好走血統は微妙に異なります。クイーン賞での3歳好走馬の血統表で目立つのはA.P.Indy系の血で、過去5年の3歳好走馬はいずれもA.P.Indy系の産駒でした。
同種牡馬は柔軟性に優れたダートの中長距離血統で、本国アメリカではベルモントSで重宝される血。成長スピードやコースレイアウトの影響からマリーンCも同じような適性が求められるのではないでしょうか。
◆A.P.Indy(クイーン賞の3歳好走馬)
2019年3着ラインカリーナ:父パイロ
2022年2着グランブリッジ:父シニスターミニスター
2023年1着ライオットガール:父シニスターミニスター
2023年3着パライバトルマリン:父Malibu Moon
【マリーンCの最終見解】