プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「7月20日~7月28日の期間で特にクセが強かったレース」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
今回は7月20日~7月28日の期間で特にクセが強かったレースを5つ紹介したいと思います。
(1)TVh賞
札幌芝1200m 良
開幕週の馬場でスローペースの前残り
いつも「開幕週は差し決着を狙った方が得」という話をしていますが、これはその逆で、開幕週の前残りでもそこそこ配当がついたという珍しいレースになりました。
開幕週でテン3Fが33秒9というスローペースで、前に行った3頭で決まりました。なので、後方にいた馬は明らかに不利を受けていますし、おそらく外枠の馬にも不利がありました。
具体的に言うとドナベティ、オウバイトウリ、アバンチュリエ、タツリュウオー、ドーバーホークの5頭で、特にドナベティは右回りだと直線でもたれて追いづらいので、左回りを待って狙うと良いかもしれません。
(2)中京記念
小倉芝1800m 良
開催後半のハイペースで前崩れになったレース
小倉の開催後半は馬場が荒れて時計も掛かるようになってきて、前有利か差し有利か分からないような状態だったんですけど、このレースはハイペースになって完全に差し有利になりました。
馬場が荒れると前残りになることの方が多く、実際、この前の2週は先行馬が残るレースが目立っていました。でも、ジョッキーたちがそういう傾向に気付いたことで、ペースが速くなって差し決着になったわけです。
1000m通過が57秒5という速いペースなのに、縦長にならずに後方の馬もついていきましたからね。それだけジョッキーは先行有利な馬場だと思っていたはずです。2月に同コースで行われた小倉大賞典は同じようなペースでもセルバーグの大逃げになりましたから、今回はそれだけジョッキー心理が大きく影響したということです。
その結果、先行したソレイユヴィータ、ワールドリバイバル、セルバーグ、セオ、テーオーシリウスが展開不利を受けました。特にハナを奪い合ったセルバーグ、セオ、テーオーシリウスの3頭は、展開さえハマればいつでも穴をあける可能性があるので、大敗も気にすることはありません。
あと、結果的に内を通った馬の方が有利だったので、大外を回したロングランとニホンピロキーフにも不利がありました。開催後半の特殊な馬場、特殊なペースなので、同じメンバーでもう一度やっても同じ結果になることはないと思います。
近年の競馬はこんな風に、馬場傾向とジョッキー心理とが絡み合って、先行有利と差し有利がぐるぐる回ります。馬券を買う側は、ジョッキー心理の逆を狙うのが鉄則です。
(3)伊達特別
福島芝2000m 良