プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「抜群の勝ち上がり率を誇るニューイヤーズデイの凄いクセ」です。
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双馬:今回はニューイヤーズデイのクセについて話したいと思います。馬体が良い馬が多かったので、昨年夏の時点である程度良い結果を残すんじゃないかと予想していましたが、初年度産駒の勝ち上がり率が46.9%という優秀な数字を残しています(2023年6月~2024年9月8日)。
これは昨年の新種牡馬のなかではダントツ、全種牡馬で見てもトップレベルの数字です。
──そんなに凄い成績を残していたんですね。その割に注目度は低いですよね。
双馬:重賞で活躍した馬が兵庫チャンピオンシップを勝ったエートラックスぐらいですからね。でも、なかなか面白い種牡馬なのでクセを覚えておいて損はないと思います。
まずはローテ別成績から見ていきます。延長向きの血統なので、昨年夏の時点で延長の方が良いんじゃないかと言いましたが、そこは間違っていました。
データを取ってみると、延長の成績は悪くて、同距離は普通よりちょっと悪いくらいで、短縮は良い。じゃあ、短縮向きの種牡馬なのかというと、そうとも言えないんですよね。1~6番人気限定のデータにすると好走率にあまり差が出ないんです。
期待値的には短縮が若干良いですけど、人気馬ならローテ関係なしにそこそこ走れているんですよ。
逆に、7番人気以下になったときはどうかと言うと、同距離の複勝率が2.1%に落ち込みます。これは普通の種牡馬じゃありえないくらい低い数字です。
延長なんて66頭走って3着以内なしです。短縮は回収率が高いんですけど、好走率を見ると積極的に買えるレベルとは言えません。
──つまり、人気馬はローテに関わらず堅実に走るけど、人気薄はほとんど走らず、短縮だけちょっと走る程度ってことですね。
双馬:はい。ニューイヤーズデイの最大のポイントは「アメリカ血統らしいムラがない」という点なんです。一般的にアメリカ血統というのは圧勝と凡走を繰り返すイメージがあるじゃないですか? 気分が向いたときは圧勝して、気分が向かなかったらボロ負けする。
ダート血統はそういう馬が多いので、ダートで穴を狙うときは前走凡走している馬を狙ったほうが得なんですよ。でも、ニューイヤーズデイにはそれが全く当てはまりません。
──へぇ~、どうしてですか?