競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「中山の高速馬場で買える騎手、買えない騎手の特徴」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
超高速馬場でスタートした秋の中山開催。土曜の紫苑ステークスではクリスマスパレードが好位から抜け出し、驚異的なレコードで制しました。
時計が速いからレベルが高いとはまったく言えないと思うのですが、高速馬場が得意な騎手というのはいるんじゃないかなと、かねてより感じておりました。
というのも、ふと気づいた傾向があるんですよ。日曜の京成杯オータムハンデです。
このレースを制したのはルメール騎手のアスコリピチェーノ。能力面から考えれば順当勝ちです。勝ち時計は1分30秒8。
何に気づいたのかというと、3着の横山典騎手なんですよね。このレースの好時計決着で毎回来ていないかと。
というわけで、21世紀になってからの京成杯オータムハンデの勝ち時計を速い順に並べてみました。
~リズム重視型の騎手が合う中山の高速芝~
▼5位タイ
2017年 グランシルク 1分31秒6
2023年 ソウルラッシュ 1分31秒6
▼4位
2001年 ゼンノエルシド 1分31秒5
▼3位
2024年 アスコリピチェーノ 1分30秒8
▼2位
2012年 レオアクティブ 1分30秒7
▼1位
2019年 トロワゼトワル 1分30秒3
以上が21世紀以降の京成杯AHにおける高速決着のベスト5なのですが、こちらを見て何か気づくでしょうか?
実は、1位、2位、4位の勝ち馬に騎乗していたのはすべて横山典騎手なんですよ。今年の3着サンライズロナウドも同騎手です。つまり好時計決着のベスト4はすべて横山典騎手が連対しているんですね。
今年制したのはルメール騎手、2017年のグランシルクに騎乗していたのは田辺騎手。田辺騎手は2012年にもスマイルジャックで2着に突っ込んで来ています。総じてリズム重視型のジョッキーが好走しています。今年の2着もベテランの柴田善騎手でした。
究極の時計勝負になるといかに馬が気分よく走れるかが大事ですから、リズムを重視するスタイルの方が合うのではないでしょうか?
~高速馬場=前が止まらないは思い込み!~