先週は土曜東京でリステッド・アイビーSが行われました。近年ソウルスターリングやクロノジェネシス、ドウデュースらを輩出した出世レース。今年は1番人気のチャンスザローゼスが2馬身差で逃げ切り勝ちをおさめました。
直線では後続を寄せつけず“完勝”といっていい内容でしたが、レース後の川田将雅騎手は『能力の高さは間違いないですが、コントロールが非常に難しくて・・・。気をつけて育ててきてこれですからね。これからも気をつけて育てていきたいです』と苦笑い。確かにスタート後、2番手におさまらず行きたがる素振りを見せてハナに立ち、レース後も川田騎手から行儀について矯正されるような場面がありました。
まだ多分に若さを残す現状のようですが、それでいて完勝をおさめるあたりが能力の高さと言えるでしょう。これから陣営がどう修正してくるかも含めて、今後も要注目です。
一方、先週の当欄でご紹介したシャンドゥレールは2着。G3・札幌2歳S(7着)では出遅れが大きな敗因となりましたが、今回は五分のスタートを決めて道中は2番手から。直線では勝ち馬に及ばず2着確保が精一杯でしたが、きっちり修正はされてきました。同様の立ち回りができれば1勝クラスはすぐに勝ち上がれそうです。
さて、今週は土曜(29日)に東京で牝馬限定のG3・アルテミスS(芝1600m)が行われます。今年で11回目と歴史の浅い重賞ですが、2016年のリスグラシューや2017年のラッキーライラック、2020年ソダシ、2021年サークルオブライフと、勝ち馬にはその後のGIホースの名がズラリ。今年も目が離せません。
実績1番はメンバー唯一の2勝馬・ミシシッピテソーロ(父ダノンバラード、母ハピネスフォーユー)。2019年のG3・関屋記念で2着したミエノサクシードの半妹で、東京マイルの新馬戦、新潟のダリア賞と無傷の2連勝を飾っています。
▲畠山厩舎のミシシッピテソーロ
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。