先週は土曜に東京でG2・京王杯2歳Sが行われましたが、結果は1~4番人気馬がすべて馬券圏を外す大波乱。3連単は222万1830円の特大万馬券となりました。
上位人気に支持されたのはG3・小倉2歳Sの勝ち馬・ロンドンプランや、その小倉2歳Sを上回るタイムで未勝利勝ちしたペースセッティングなどの“小倉組”。4着に食い込んだペースセッティングはともかく、ロンドンプランは見せ場に乏しい14着。小倉千二から東京千四へと全く異なるコース形態で持ち味が活かせなかったのかもしれません。
勝ったのはオオバンブルマイ。中京千四での新馬勝ちに続き、同じく左回り千四の舞台で重賞勝ちを果たしました。外めの10番枠でしたが、うまく好位のインに潜り込んだ横山武史騎手のファインプレーと、そういった競馬ができる馬自身の器用さが光った勝利。レース後には鞍上も『思った通りの競馬ができました』と満足そうに振り返っていました。
一方、先週の当欄で紹介したスピードオブライトは3着まで。2番手から運んで、逃げたフロムダスクをハナ差まで追い詰めながら、わずかに及びませんでした。『いい競馬でしたが、最後の最後に脚が上がってしまいました。千四の距離はギリギリかもしれません』とは騎乗した石川裕紀人騎手。今後はマイル以上なら軽視、千二ならば買いのスタンスが正解かもしれません。
同じく、土曜に阪神で行われたのはG3・ファンタジーS。こちらも1番人気アルマデローサが10着に沈む波乱があり、3連単は46万7700円もの高配当となりました。
勝ったのは関東から遠征したリバーラ。新潟千二の未勝利で勝ち上がった同馬でしたが、着差はわずかクビ差。10番人気の低評価となったのも致し方ありませんが、レースでは積極的な逃げから2着に1馬身1/4差をつける快勝をおさめました。この馬のために阪神への遠征を決めた石橋脩騎手、そして今年スターズオンアースで牝馬二冠を制した高柳瑞樹調教師と、馬だけでなく“人”の力も感じさせた金星のようにも感じました。
さて、今週は土曜(12日)に阪神でG2・デイリー杯2歳S(芝外1600m)が行われます。近年は11月中旬に施行時期が定着していて、かつてのビワハヤヒデのような超大物こそ出現していませんが、それでも2017年のジャンダルムや2018年のアドマイヤマーズなど、勝ち馬からは後のGIホースも出ています。当然、今年も要チェックと言えるでしょう。
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。