先週は土曜に中京でリステッド・若駒Sが行われました。かつてはディープインパクトが鮮烈な勝ち方を見せたことで知られ、その後もアンライバルドやマカヒキが若駒Sをステップに春のクラシックを制覇。近年ではヴェロックス(2019年)がここを勝って、皐月賞2着、ダービー3着と存在感をアピールしました。
今年は2番人気のマイネルラウレアがV。新馬戦に続く無傷の2連勝を飾りました。2着とはわずかハナ差で、決着タイムも同日の牝馬限定の未勝利戦より1秒も遅い平凡なものでしたが、その内容には数字だけでは量れない価値もありました。
レースは前後5F63.4-59.5秒の超スロー。そんな流れを最後方追走から外を回って追い上げ、直線では大外から差し切ったのがマイネルラウレア。まさに着差や時計以上の勝ち方でした。それでいて最後の直線では内にモタれる仕草を見せていて、レース後には川田騎手も能力の高さを讃える一方で、コントロール面の課題も挙げていました。古馬オープン・マイネルウィルトスの半弟で父はゴールドシップ。今後の成長次第では大化けする可能性もありそうです。
さて、今週は東京でリステッドのクロッカスSや、時おり大物を輩出する1勝クラス・セントポーリア賞が行われますが、登録馬を見る限りはややメンバーが小粒な印象も・・・。
そこで今回はデビューを控える新馬をご紹介します。土曜東京(28日)の芝1600mでデビュー予定のテンペスト(牝、国枝=父ロードカナロア)です。
▲国枝厩舎のテンペスト
日米オークスを制したシーザリオのラストクロップ。半兄はエピファネイア、リオンディーズで、全兄はサートゥルナーリアですから、これ以上ないと言っていいほどの良血馬です。
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。