先週は日曜に中京でG3きさらぎ賞が行われました。近年はそれほどの大物が出現していませんが、かつてはスペシャルウィークやネオユニヴァースがここを足がかりにダービー馬となりましたし、2016年のサトノダイヤモンドはその年の有馬記念を制しました。
今年はフリームファクシがオープンファイアの追撃をアタマ差しのいでV。3着には3馬身差がついていたように上位2頭の強さが際立ちました。
フリームファクシは好位追走から直線で早めに先頭に立つ王道の競馬。1角でアタマを上げるなど折り合い面の難しさは相変わらずでしたが、前進気勢の旺盛さやセンスの良さが光る1頭。半姉に国内外のGIを制したディアドラがいる血統馬で、混戦模様の牡馬クラシック戦線に名乗りを挙げました。
一方、2着オープンファイアも負けて強しの内容でした。デビュー2戦に比べて道中の位置取りが改善されたうえ、直線での追い込みもこれまでになく体を大きく使ったフォームで迫力がありました。現3歳世代がラストとなるディープインパクトの産駒。一戦ごとに着実な上昇カーブを描いています。
また先週の当欄でご紹介した日曜東京・ゆりかもめ賞のスキルヴィングも順当に勝利をおさめました。単勝オッズ1.5倍の圧倒的支持を集めながら、道中は最後方で慌てず騒がず。3-4角でじわりと差を詰めると、直線では楽々と抜け出して3馬身差の快勝をおさめました。前走に続いて上がり3Fはレース上がりを1秒以上、上回っておりスケールの大きさを感じさせる1頭。レース運びなどにはまだ改善の余地があり、すぐにトップ戦線へ…というイメージではないかもしれませんが、長い目で注目したいと思います。
さて、今週は東京で注目の3歳重賞が2鞍行われます。土曜の牝馬限定G3クイーンC、日曜のG3共同通信杯ともに、後のGI勝ち馬を何頭も送り出している出世レースだけに目が離せません。
G3クイーンCは阪神JF・3着のドゥアイズが実績最上位ですが、デビュー4戦の着順は1、2、2、3着。安定感がある反面、勝ち切れない弱点も抱えており、必ずしも絶対的な存在とは言えないでしょう。
今週は東京で土日続けて注目の3歳重賞が。勝って主役候補に名乗りを挙げる馬は?/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報!
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。