先週は土曜にG2チューリップ賞、日曜にG2弥生賞と2つのクラシック・トライアルが行われました。ともに重要なステップレースとされる前哨戦ですが、本番へ向けて“新星誕生”とはならなかったように感じました。
チューリップ賞は7番人気のモズメイメイが逃げ切り勝ち。自分は同馬に◎を打っていたため会心の予想となりましたが、レース後に感じたのは『本番はこう上手くはいかないだろうな』ということ。それというのもモズメイメイが作ったペースは前後4F47.5-46.5秒のスロー。武豊騎手の巧さが光った印象もあり、メンバーやペースも違ってくる桜花賞でも逃げ切るのは簡単ではないでしょう。
ハナ差2着コナコーストや、先週の当欄で取り上げた同タイム3着ペリファーニア、さらには1番人気に推されながら消化不良に終わった15着ドゥーラなど、敗戦組の巻き返しもありそうです。
一方、弥生賞は3番人気のタスティエーラが好位から早めに抜け出して押し切り勝ち。2着トップナイフに1馬身差をつけましたが、休み明けだったトップナイフとは違って、タスティエーラは中2週のローテーション。おまけにトップナイフは直線でタイトな進路取りを強いられる場面もありました。それらを踏まえると1、2着との間にはほとんど差はなかったはずで、いまだ3歳牡馬クラシック路線は混沌としているように感じています。
さて、今週は日曜に中山でアネモネS、阪神でG2フィリーズレビューと2つの桜花賞トライアルが行われます。ともにやや小粒な顔ぶれに映りますが、打倒リバティアイランドへ名乗りを挙げる馬は出てくるでしょうか。
今週は2つの桜花賞トライアルが開催。打倒リバティアイランドに名乗りをあげる馬は?/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報!
- 11/28 (火) 今週は阪神JFの前の“谷間のウィーク”も、注目の1勝クラスとは?/東スポ・…
- 11/21 (火) 混沌の2歳牡馬路線、京都2歳Sが断を下すか/東スポ・藤井記者の“若駒”生情…
- 11/14 (火) 世代屈指の出世レース・G2東スポ杯2歳S。G1馬を兄にもつ“あの馬”に注目/東…
- 11/07 (火) 出世レースのG2デイリー杯2歳S。粗削りながらもスケールの大きな“あの馬”…
- 10/31 (火) 今週は伝統のG2京王杯2歳S。当欄が注目するのは完成度の高さが光るあの馬…

藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。