先週は土曜に阪神でリステッド・若葉S、日曜中山ではG2スプリングSと、2つの皐月賞トライアルが行われました。
なかでもインパクト大だったのはスプリングSを勝ったベラジオオペラでしょう。新馬→セントポーリア賞に続いて無傷の3連勝を達成。レース内容もこれまでの少頭数の競馬で先行する形から、フルゲート16頭立てを中団から外を回って差し切る横綱相撲で、前2戦に比べて大きな進境を感じさせました。手綱をとった横山武史騎手が次走は京成杯を勝ったソールオリエンスに騎乗するため、新たな鞍上探しがポイントになりますが、混戦ムードの皐月賞に新たな主役候補が出現しました。
敗れた組の中では2着ホウオウビスケッツも素材の良さを示しました。逃げて連勝していた馬が、控える形でも戸惑わずに粘り込み。今後の動向は未定ながら、6月5日の遅生まれであることを考えるとまだまだ伸びシロがありそうです。
一方、若葉Sを制したショウナンバシットは、これでデビュー5戦して【3-1-1-0】。相手なりに頑張るしぶとさが売りで、今回も2着とハナ差の接戦をモノにしました。ただデビュー戦では前出ベラジオオペラの3着に敗れているうえ、今回も含め近走は少頭数の競馬が続いています。相手強化や多頭数の競馬への対応などが今後の課題となるでしょう。
さて、今週は土曜に阪神でG3毎日杯が行われます。皐月賞のトライアルではありませんが、2017年にはアルアインがここを勝って皐月賞馬に。ほかにも2013年のキズナや、2021年のシャフリヤール、2018年のブラストワンピースなど、多くのG1ホースを輩出している出世レースです。
なかでも今年、当欄が注目しているのはキングズレインです。
▲手塚厩舎のキングズレイン
昨年末のホープフルSでは3着に敗れましたが、道中は後方から終始外々を回らされたうえ、4角では内の馬がふくれた影響で必要以上に外を走らされてしまいました。それでいて“行った行った”の決着を猛然と追い込んだ内容は、まさに負けて強しでした。
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。