先週は日曜札幌で2歳オープンのクローバー賞が行われました。勝ったのは先々週のオープン・コスモス賞で2着に敗れたコスモディナー。連闘策での金星でタフネスぶりをアピールしましたが…そのコスモス賞では勝ったエコロヴァルツから6馬身離されていたうえ、3、4着が未勝利だったことは先週の当欄でもご紹介した通り。ですから今回の勝利をもってコスモディナーや、同馬を負かしたエコロヴァルツを高く評価するのは早計かもしれません。ともに次走が試金石でしょう。
一方、当コラムでおすすめした日曜新潟5Rのダノンマカルーは12着と大敗。2番人気と高い支持を集めましたが、レースではスタートで後手を踏んだうえ、道中は中団で力み気味。おまけに直線では窮屈な場所に入って、見せ場すら作れませんでした。
いわゆる“若さ丸出し”のレースでしたし、戦前の田中博康調教師の『パワータイプ。切れ味勝負への対応がカギ』とのコメントを考慮すると、次走は中山などの上がりのかかるコースや、ダート戦のほうがチャンスがあるかもしれません。
ちなみに、その日曜新潟5Rを勝ったのは、2017年のヴィクトリアマイルを勝ったアドマイヤリードの半妹・アドマイヤベル。またまた新種牡馬・スワーヴリチャードの産駒が勝ち上がりを決めました。
さて、今週は日曜新潟でG3新潟2歳Sが行われます。かつてはマイネルレコルトやセイウンワンダーがここを勝って2歳王者に。その後、牡馬の中からはしばらくG1馬が出ていませんでしたが、一昨年の勝ち馬・セリフォスが翌年のマイルCSを勝ち、久々のG1勝ち馬となりました。
とはいえ今年はやや寂しい登録状況となりました。登録頭数はフルゲート割れの14頭。そのうち2頭が未勝利馬と未出走の新馬ですから、勝っている馬は12頭のみ。そして2勝以上挙げている馬は1頭もいません。おまけに未対戦の馬ばかりで比較も難しいですが…。
そんな中でキャリアの豊富さが武器になりそうなのはリーチザクラウン産駒のニシノクラウン(牡、相沢)です。
▲キャリアは3戦。相沢厩舎のニシノクラウン
勝ち上がりに3戦を要しましたが、3つの競馬場で1800mと1200mの距離を経験していることに加えて、差し、先行、追い込みと様々なスタイルの競馬を試みてきました。
やや寂しい顔ぶれの新潟2歳S。そんな中、豊富なキャリアを武器に一発を狙う馬とは?/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報!
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。