先週は土曜中山で2歳1勝クラスのアスター賞(芝1600m)が行われました。未勝利馬3頭を含む8頭立て。お世辞にもメンバーレベルが高いとは言えない組み合わせでしたが、レースでは4番人気のキャットファイトが5馬身差のワンサイド勝ち。時計の出やすい開幕週だけに1分33秒1のレコードタイムだけを見て飛びつくわけにはいきませんが、好位から直線だけで5馬身突き放した切れ味は目を見張るものがありました。
ちなみに、同馬は6月4日の東京マイル(牝馬限定)の新馬戦でデビュー(6着)したのですが、この組からは3着コラソンビート(ダリア賞)に続いて、2頭目の2勝馬となりました。今のところ今世代で1番の出世レースとなっており、勝ったボンドガール(G3サウジアラビアRCを予定)や、2着チェルヴィニア(G3アルテミスSを予定)の今後がますます楽しみになりました。
一方、先週は東西で8鞍の新馬戦が行われましたが、もっとも派手な勝ちっぷりだったのは土曜中山5R(芝2000m)のフォルラニーニでした。単オッズ1.5倍の圧倒的支持を集めていましたが、レースでは好位からあっさり抜けて3馬身半差と、その期待に応えました。エピファネイア産駒の牡馬。中央6勝をあげたリナーテの初仔で、近親にはサトノダイヤモンドがいます。
また、日曜中山5R(芝1600m)では、先週の当欄でご紹介したシックスペンスが1番人気にこたえました。こちらはアタマ差の辛勝でしたが、直線では最内から伸びる味のあるレースぶり。外から勢いよく伸びた2着馬に交わさせなかった点は評価できそうです。キズナ産駒の牡馬で、母フィンレイズラッキーチャームは米G1マディソンSの勝ち馬です。
そんなわけで今回も中山でデビュー予定の2歳馬をご紹介。今世代、次々と素質馬を勝ち上がらせている木村哲也厩舎が、今週も2頭の新馬を送り出します。
まずは土曜中山5R(芝1800m)を予定しているマーシャルポイントです。
▲16日(土)中山5Rでデビュー予定のマーシャルポイント
エピファネイア産駒の牡馬で、近親にはマリアライトやクリソベリル、ダンビュライトなど活躍馬が多数いる一族です。
好素質馬が続々と勝ち上がっている木村厩舎から今週も注目の血統馬がデビュー/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報!
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。