先週は土曜中山でカンナS(芝1200m)、土曜阪神で野路菊S(芝外1800m)と、2つのオープン特別が行われました。
カンナSを勝ったのは伏兵・オーキッドロマンス。未勝利を勝つのに3戦を要したことで7番人気と評価は低かったですが、見事に連勝を飾りました。これで1200mでは2戦2勝。新種牡馬ロジャーバローズの仔で、日曜中山3Rでも同産駒のテリオスサラが勝ち上がるなど、ロジャーバローズ産駒に勢いが出てきました。
一方、野路菊Sを制したのはヴェロキラプトル。逃げ切りだった初戦とは打って変わり、今回は中団待機策からの差し切りVと、センスの高さを見せつけました。こちらは新種牡馬・スワーヴリチャードの仔。同産駒は目下、2歳リーディングサイアー争いでも首位を走るなど、高い性能をアピールし続けています。
てなわけで今週も中山で行われる特別戦から注目馬をご紹介したいと思います。
まずは土曜中山9R・芙蓉S(2歳オープン、芝内2000m)。現行の条件で行われるようになった2015年以降、サンリヴァル(皐月賞2着)やオーソリティ(G2青葉賞など重賞4勝)、ラーグルフ(G3中山金杯、ホープフルS3着)らを輩出しています。
人気を集めそうなのは堀厩舎のドゥレイクパセージ、中内田厩舎のマテンロウゴールドですが、牝馬のティンク(久保田、父ダイワメジャー)も侮れません。
▲久保田厩舎のティンク
デビュー戦こそハナ差2着に敗れたものの、折り返しの未勝利戦で1馬身半差の完勝をおさめました。
池内助手が『中間も順調で、追い切りの動きも良かったです。初戦は3-4角でズブさを見せたので、そのあたりがオープンでどう出るかですが、スムーズに速いラップを刻めれば』と話したように、距離が前走の1800mから1F延びるのも吉と出そう。最終週の馬場で決め手が生きるようなら面白そうです。
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。