先週は土曜東京でリステッドのアイビーS(芝1800m)が行われました。現行の条件で行われるようになった2014年以降の9年間でソウルスターリング、クロノジェネシス、ドウデュースと3頭のG1馬を送り出している一戦。大いに注目が集まりました。
レースはホウオウプロサンゲの単騎逃げで、前5F63.1秒のスローペース。流れが変わったのは4コーナー手前からで、ホウオウ=坂井瑠星騎手が後続を一気に突き放しにかかります。ラスト4Fは12.0→11.2→10.9→11.0秒の加速ラップで、完全に先行有利の展開に。鞍上の好プレーもあり、逃げたホウオウプロサンゲはまんまと2着に粘りました。
そんな流れを2番手から地力でねじふせたのがダノンエアズロックです。6月の東京新馬も同じ芝1800mを2番手からの競馬でしたが、当時の上がり3Fは35秒2。対して今回は32秒7でした。ペースの違いがあるとはいえ、全く異質の流れでも結果を出せたことは評価に値しますし、プラス20キロの馬体重からは成長力も感じさせました。昨年のセレクトセールで約5億円の値が付き、半姉にプリモシーンをもつ血統馬。今後も大注目です。
一方、1番人気に推されながら3着に敗れたのはレガレイラ。3番手から勝ち馬と同じ32秒7の脚を使ったものの、前を捉えるにはいたりませんでした。とはいえ展開不向きのなか、牡馬が相手だったことを考えれば、そこまで悲観する必要もないはず。ポテンシャルの高さは先週の当欄で記した通りで、今回の敗戦のみで評価を下げなくてもいいでしょう。
さて、今週は土曜東京でG3アルテミスS(牝馬限定・芝1600m)が行われます。今年で第12回目とまだ歴史の浅い重賞ながら、勝ち馬にはリスグラシュー、ラッキーライラック、ソダシ、サークルオブライフとG1ホースの名前がズラリ。また本レースは2着馬の顔ぶれも豪華で、アユサン、レッツゴードンキ、メジャーエンブレム、リバティアイランドが、後のG1馬となりました。
そんな中で当欄が注目するのはチェルヴィニアです。
▲木村厩舎のチェルヴィニア
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。