先週は土曜東京でG3アルテミスS(芝1600m)が行われました。2012年の創設以来、勝ち馬にはリスグラシュー、ラッキーライラック、ソダシ、サークルオブライフとG1ホースの名前がズラリ。また本レースで2着に敗れたアユサン、レッツゴードンキ、メジャーエンブレム、リバティアイランドらも、後のG1馬となりました。これからの牝馬クラシック戦線を占ううえで重要な一戦です。
レースは前後4F48.0-45.6秒のスローペース。各馬余力を残して直線に向かい、上がり3Fは11.4-11.2-11.0秒と加速していくラップ構成となりました。
そんな流れを3番手から抜け出したのがチェルヴィニアです。直線では周囲を囲まれて身動きが取れず。ようやく進路ができたのは残り300m地点でしたが、そこからの瞬発力が圧巻でした。隣にいたサフィラをあっという間に置き去りにすると、残り150mでは先頭に…。最終的には2着サフィラと1馬身3/4差でしたが、着差以上に“違い”を見せつける内容で、レース後のルメール騎手も『牝馬のG1はイケると思います』と太鼓判を押していました。
今後について木村調教師は『距離はもつタイプ』としつつも、『まずは来年の4月にいい状態に持っていくこと』とコメント。阪神JFよりも来年の桜花賞、オークスを意識しているようでした。木村厩舎と言えば、かつてイクイノックスを東スポ杯から翌年の皐月賞まで休ませて、その後の大成につなげているだけに、“アルテミスSから桜花賞直行”なんてローテが発表されても驚けません。
さて、今週は土曜東京でG2京王杯2歳S(芝1400m)が行われます。古くから現行の条件で行われている伝統のG2ですが、ここを勝って後のG1馬となったのはタワーオブロンドン(2017年)が最後。3歳春のPOGシーズンまでにG1を勝った馬となるとグランプリボス(2010年)まで遡る必要があります。これらの傾向を踏まえると、将来性よりも仕上がりの早さや完成度に注目すべきレースと言えるでしょう。
そんな中で当欄が注目したのはコラソンビート(牝、加藤士)です。
▲加藤士津八厩舎のコラソンビート
2023/10/31 (火)
今週は伝統のG2京王杯2歳S。当欄が注目するのは完成度の高さが光るあの馬!/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報!
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。