先週は日曜阪神で2歳マイル王を決める朝日杯FSが行われました。
勝ったのは1番人気のジャンタルマンタル。早めに抜け出して2着馬に1馬身1/4差をつける完勝でしたが、際立ったのはテン乗りながら完璧なエスコートを見せた川田将雅騎手の手綱さばきでした。
道中は中団のインでじっくり脚を溜める形。一見すると厳しいポジションにも映りましたが、4角手前からスルスルと最内を突いて進出すると、直線では早々と先頭へ。その後は馬場のいい真ん中あたりまで馬を持ち出して、危なげなく押し切りました。
ロスのないコース取り、走りやすいコース選びなど、非の打ちどころのない騎乗で、馬の能力よりも鞍上の巧さのほうが光ったように思えるほどでした。
そういう観点で見ると、2着エコロヴァルツも負けて強しだったと言えるでしょう。道中は中団から運んだものの、向正面で他馬と接触するアクシデントがあり最後方から。直線では大外に持ち出して追い込んできましたが、勝ったジャンタルマンタルとは対照的な立ち回りでした。これを考えると両馬の実力に着差ほどの開きがあるとは思えず、来年以降の再戦に注目が集まります。
一方、レースレベルに目を向けると、決着タイムは1分33秒8(前4F46秒1)で、これは前週に行われた阪神JFの1分32秒6(前4F46秒4)と比べると、かなり見劣りする数字となりました。牡馬は最終日(28日)に行われるホープフルSとで戦力が分散するため仕方がない側面もありますが、今回の一戦が現2歳世代の牡馬の最高峰を決める一戦ではなかったような印象も受けました。
そんなわけで今週の2歳戦……といきたいところですが、残念ながらホープフルS前の谷間の週となっており、目ぼしい2歳戦は行われません。そこで今回はひと足先に、そのホープフルS(中山芝2000m)の有力馬情報をお届けしたいと思います。
2023/12/19 (火)
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。