東京スポーツ・藤井真俊記者によるPOG最新情報。今回は桜花賞の振り返りと皐月賞の注目馬について。現場記者だからこそ聞ける話は必見です!
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先週は阪神で牝馬クラシックの第一冠・桜花賞が行われました。1着から12着までが1秒以内にひしめく大激戦を制したのはステレンボッシュ。阪神JF・2着からの反撃に成功した形ですが、何より光ったのは今回が初騎乗となった鞍上・モレイラ騎手の手腕でした。
ゆっくりとしたスタートから道中は中団よりも後方の馬群で待機。しかし、3~4角でジワリと位置取りを上げると、4角では外にいたアスコリピチェーノを弾いて進路を確保。直線では力強い伸び脚で抜け出しました。まるでチェスや将棋のように、一手一手の積み重ねでウイニングロードを作り出した立ち回りは、思わず嘆息するほどの美しさがあったように思います。
3/4馬身差の2着にアスコリピチェーノ。敗れはしたものの地力は示した格好で、2歳女王としての意地を見せました。勝ったステレンボッシュともども、今回は昨年末以来のぶっつけ本番。それぞれオークスへ向けて上積みも大きそうです。
ライトバック、スウィープフィートは後方待機策からメンバー1、2位の脚を駆使して3、4着。直線での進路取りが明暗を分けましたが、こちらもそれぞれ“大箱”東京決戦となるオークスでの逆転を描きます。
一方、案外な結果に終わったのは3番人気8着クイーンズウォークですが、レース後の川田騎手の『次に向かっていくための準備ですね』とのコメントを見る限り、同馬も東京2400mで行われる“次”では反発がありそう。
さらには4番人気13着に沈んだチェルヴィニア。大外枠からそのまま先行する強気の競馬が堪えたにせよ、直線での反応の乏しさを見ると、やはり約5か月ぶりの実戦は楽ではなかったということかもしれません。それでも先週の当コラムで記した通り“”素質”は間違いなく世代トップクラスであるはずですから、母チェッキーノが2着した樫の舞台でのリベンジに期待したいところです。
さて、桜花賞の余韻も冷めやらぬなか、今週は牡馬クラシックの第一冠・皐月賞が行われます。
文字通りの“頂上決戦”となった桜花賞とは異なり、牡馬路線は昨年から混戦ムード。朝日杯FSの勝ち馬・ジャンタルマンタルが今年初戦の共同通信杯を2着と落とし、ホープフルSでは“牝馬”レガレイラが優勝。トライアルレースでも弥生賞は伏兵コスモキュランダが制し、スプリングSの勝ち馬シックスペンスが早々に回避(ダービー直行)を表明するなど、混迷を極めています。