東京スポーツ・藤井真俊記者によるPOG最新情報。今回は先週の2歳重賞の振り返りと、今週末のアスター賞の注目馬について。現場記者だからこそ聞ける話は必見です!
藤井真俊記者の最新記事や予想等はWebサイト「東スポ競馬」でご確認ください。
先週は土曜札幌でGIII・札幌2歳S、日曜中京でGIII・小倉2歳Sと2つの2歳重賞が行われました。
札幌2歳Sを制したのはキズナ産駒のマジックサンズ(牡、須貝)。2番枠から互角のスタートを切るも、すぐさま下げて1コーナーでは馬群の外へと誘導。勝負どころで外から早めに進出すると、ゴール前では最内から伸びた2着馬をハナ差交わしました。
最終週&重馬場という特殊な馬場コンディション。『外めを走ろうと先生と話していました』(佐々木騎手)という陣営の作戦が鮮やかに決まりました。
決着タイム1分50秒3は2020年のソダシ(1分48秒2)や2021年のジオグリフ(1分49秒1)には及びませんが、2020年のドゥーラ(1分50秒0)とは小差。馬場状態を考えれば上々と言えそうです。半姉は昨年の桜花賞2着馬コナコースト。本馬の今後からも目が離せません。
2着アルマヴェローチェ(牝、上村)は最内枠から直線でただ1頭内ラチ沿いを選択する立ち回り。他馬が外を選択するなか、横山武騎手の大胆なコース取りが目を引きました。
ハービンジャー産駒で、今回は特殊な馬場を苦にしない特性が生きた感もありますが、そのパワーやタフさは覚えておきたいところです。
一方、小倉2歳Sはエイシンワンド(牡、大久保龍)が好位から抜け出してV。1番人気に応えましたが、評価が難しいのは今年が中京開催だったことと、台風の影響でかなりタフなコンディションで行われたこと。
例年はあまりクラシックに結びつかない一戦ではありますが、中京開催ならば違う可能性も? しかし馬場の影響もあってか、好位勢がそのまま上位を占める“行った行った”決着になったことを考えると凡戦の感も…。
個人的には掲示板に載った種牡馬の顔ぶれ(ディスクリートキャット、ミスターメロディ、タワーオブロンドン、ファインニードル)を見ると、あまりクラシックの香りはしないように思いましたが、果たして…。
さて夏のローカル開催も終わり、今週から秋競馬がスタート。少しずつGIレースの足音が聞こえてきます。
土曜中山9Rのアスター賞(2歳1勝クラス、中山芝外1600m)は、過去にメジャーエンブレムやノームコアといったGI馬を送り出している出世レース。近年もプルパレイ(2021年)がGIII・ファルコンS、キャットファイト(2023年)がアネモネSをその後に制するなど、注目の一戦です。