東京スポーツ・藤井真俊記者によるPOG最新情報。今回は先週の桜花賞振り返りと、今週の皐月賞展望です。現場記者だからこそ聞ける話は必見です!
藤井真俊記者の最新記事や予想等はWebサイト「東スポ競馬」でご確認ください。
先週は日曜阪神で牝馬クラシックの第一冠・桜花賞が行われました。
雨の影響を受けて馬場発表は稍重。決着タイム1分33秒1は過去5年で2番目に遅い記録でしたから、発表通りのタフな馬場コンディションでした。
そんな中で主導権を握ったのは1番人気のエリカエクスプレス。好スタートからマイペースに持ち込んで刻んだ前半4Fの通過ラップは46秒6。レースの上がり4Fは46秒5だったので、ほぼイーブンのペースでした。しかしタフな馬場コンディション、そして先行馬総崩れの決着となったことを考えると、やや飛ばしすぎだったかもしれません。
勝ったエンブロイダリーは五分のスタートを切ったものの、これまでより行き脚がつかず中団の馬群から。ただ前出の通りの前崩れ決着を考えると、結果オーライだった可能性はあります。直線で馬群を捌きながら抜け出した進路取りは「さすがモレイラ」といったところ。
同時に見逃せないのは、これまでと違った馬群からの競馬、それもタフな馬場をこなして勝ち切って見せたエンブロイダリー自身の強さでしょう。
父は昨年の新種牡馬アドマイヤマーズ。血統やこれまでのレースぶりから条件はマイルがベターに思えますが、はたして次走はオークスか、NHKマイルCか…。気になるところです。なお管理する森一誠厩舎は開業2年目にしてGI初制覇。これまでJRA重賞では5戦3勝、2着1回と素晴らしい成績を残しています。
2着アルマヴェローチェも行き脚がもうひとつでしたが、こちらも結果的にいいポジションで、道中はエンブロイダリーを見る形。勝負どころでは外の進路を選択して、勝ち馬よりもスムーズに力を出し切ることができました。阪神JFからの直行だったことを考えると次走への上積みも大きそうです。
負けて強しだったのが3着リンクスティップ。こちらもスタートで後手に回って道中は最後方。しかし4コーナーで大外を回って仕掛けると、一気にポジションを上げて上位2頭を猛追。さすがに最後は脚が上がりましたが、位置取りや脚の使いどころ次第では…と思わせる内容でした。
ちなみに個人的な話になりますが、当日は亀谷競馬サロン・リアルサロンスペースで桜花賞を観戦しました。エンブロイダリーが勝ったことで、亀谷さんが組み立てたWIN5が的中。そして昨年、本紙とのコラボイベント「POGドラフト会議」で指名した馬がGIを勝ってくれました。自分にとってこのPOGドラフトは前シーズンに続く連覇もかかっているだけに、二重にも三重にもうれしい1日となりました。
▼2024/5/19開催
東スポ競馬×亀谷競馬サロン『POGドラフト会議』レポート
さて、今週は皐月賞。2週前の当コラムでも書きましたが、圧倒的な支持を集めるのは3連勝で昨年のホープフルSを制したクロワデュノール。その勝ちっぷりや、これまでの対戦馬のレベルは、世代では一枚抜けています。対するは同じく3連勝中のエリキングと、GIII・きさらぎ賞の勝ち馬・サトノシャイニング。
特にサトノシャイニングは前走で負かした2着リンクスティップ(桜花賞・3着)、3着ランスオブカオス(チャーチルダウンズC・1着)の活躍により、ここにきてグングンと株を上げています。