Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第44回目のトークテーマはゴールドシップ。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):ステイゴールド系は非根幹距離の馬力競馬に向きますが、ゴールドシップはその特徴がさらに強くなってますね。
今井雅宏(以下、今):ダッシュ力が弱いぶん、馬体を併せるまで持って行ければしぶとく頑張れる性質(C系)が強く出るのがステイゴールド系だけど、その挙動の重さがさらに加速しているね。
亀:ラフィアンなどが生産の中心なので、よりその傾向が加速している部分もあります。ユーバーレーベンもビッグレッドファーム生産ですし。同じステイゴールド系でも、オルフェーヴルとは少し違ってくる点には注意です。ゴールドシップの方がよりステイゴールドらしいというか、非根幹距離に向いてくるわけですね。
今:推進力の面ではオルフェーヴルの方が強いしね。それもあって、しぶとさを活かしやすい牝馬の方が活躍する産駒がゴールドシップでは多くなってるんだ。前への推進力の弱さをしぶとさで補う形だよね。確かに代表産駒にラフィアンが多いけど、そのほとんどが牝馬で、牡馬で活躍しているのはラフィアン以外も多いのは、そういう面でも興味深いね。
亀:前半が緩くて徐々に加速していくヨーロッパ型の競馬ではやはり強いですよね。ステイゴールド系は凱旋門賞など欧州のレースで強いわけですが、そのぶんJRAのスピード競馬にはフィットしないシーンが多くなるので、反主流向きになりやすいです。
今:そこが逆に穴馬券にもなりやすいポイントだよね。ツボに嵌まらないと激走しないぶん、走ると穴になる。ユーバーレーベンやウインマイティーが激走したオークスなんかは、各馬が初距離への多頭数延長だから、牝馬にはかなりタフな競馬になるんだよね。
亀:そうなんですよ。オークスは非根幹血統が走りやすい。普通のファンには伝えるの面倒なんで、サロンでないと言いませんけど(笑)。若駒の牝馬では芝2400mを走り切れないので、主流の適性外になってしまうんですよね。