Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第63回目のトークテーマはバゴ。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀): バゴは凱旋門賞馬で欧州型ナスルーラ系。これはトニービンと同じです。また、欧州型のなかでもフランス寄りです。気性はトニービンよりキツいですね。
今井雅宏(以下、今): 体力と闘う意欲で強引に押すのが基本で、このタイプは極端なレース質が向くから速い上がりを出す馬もいるけど、上がりが掛かったほうが全体の成績は上がるよね。
亀: JRAの主流種牡馬よりは、上がりの掛かる消耗戦でより威力を発揮するという欧州型のタイプですね。ただし、バゴ産駒でもノーザンファーム育成の馬は広いコース、根幹距離とかで馬力を活かす競馬が向く、強い産駒が出やすいですよ。
今: 若いうちは根幹距離で強いけど、古馬はパワー寄りになって、先行や捲りとかの強引な競馬で走る、2200mや1400mが得意なのも多くなるよ。ただ器用さは古馬になると薄れてきて1800mはあまり走らないけど。
馬場は稍重が一番成績が良いように、基本は芝血統だから悪すぎる馬場よりも力の要る良馬場がベストだね。実際、中山と阪神で好走率が高くて、洋芝の北海道も一発が多いし。逆に軽い競馬場だといまいちだ。
亀: 本質は非根幹距離向きの馬力型ですよね。新潟、京都、東京なんかは単勝回収率が低くて、キレ勝負になると決め手を欠きやすいです。
今: ハイペースの消耗戦になれば、広くて軽いコースでも悪くはないけど。
亀: こういう欧州型は1200mの消耗戦で穴をあけるのも特徴です。1200mだと人気になりにくく、馬券面でも美味しいです。
今: 短縮も1200mは結構走るよね。短縮で1400mになるとレース質が軽すぎて合わないけど。短縮の場合は余計に消耗戦で体力勝負になりやすい重い条件が向く。
亀: 芝では巻き返しが多い種牡馬でもあります。前走4着以下からは全体に回収率が高くて、6着以下は余裕で単勝回収率100%を超えちゃいますし。
今: 特に、前に行く位置取りショックでパワーを活かす競馬で穴を出すタイプだから、前走上手く先行出来なかった後とかは要注意だね。
亀: あと、産駒の振り幅が大きくて、平場より特別のほうが走る種牡馬なんですよね。そういう意味でも穴が出やすいです。
今: 精神的にはタフだから、強い相手に走るというか、激戦になって強さを見せるタイプだよね。