Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第87回目のトークテーマはグレーターロンドン。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
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亀谷敬正(以下、亀):グレーターロンドンは種牡馬能力の割に人気になりにくいディープインパクト系です。能力の割に甘く見られている、不当に低評価の種牡馬になります。こういったタイプは馬券になりやすいので順張りが正解です。
今井雅宏(以下、今):MではL系のタイプになるよ。量と体力が豊富で気が良い。ディープインパクトももちろんそうなんだけど、母父ドクターデヴィアスも似たタイプで、産駒のイメージとしてはそのまま性質が伝わった感じになる。
亀:母系に短距離のダンチヒも入ってますし、ディープインパクトの中でも根幹距離で強い主流血統ですね。マイルでは実際に単複ともにに100%近い回収率で、狙って損はない種牡馬です。そもそも、グレーターロンドン自体が本当は中長距離向きだったと思っています。
今:ほぼマイル中心だったよね。
亀:それでいまいち伸びなかったんですよ。上手く中長距離を使っていけば、もっと良績を挙げていた馬だったと思います。
今:無理に違った距離を使うと心身が硬直化しやすいのはあるよね。産駒のパターンとしては現役時代のイメージで良くて、毎日王冠、ディセンバーSが少頭数の外枠で、中京記念が大外枠と、5連勝後で馬券圏内に好走した3戦は全て揉まれない競馬だったんだ。気が良くて量があるから、スムーズな競馬だとかなり走る。
産駒の初重賞勝ちになったロンドンプランなんかも、イメージそのままだよ。新馬を逃げて勝って、次走は最内枠で出遅れて、上がり33.1秒を駆使して絶望的な位置の大外から差し切った。ただあれは出遅れたから勝てただけで、スタートを中途半端に出てたら、気分良く逃げて好走した後の最内枠なんで揉まれてアウトなんだよね。
それで次走の18頭立ての京王杯2歳Sは断然人気になったけど、結局惨敗したんだ。スムーズだと強いけど、嫌なことがあると投げ出すタイプになる。好調期だと多少揉まれても大丈夫で、連続好走することが多いけど、その後はスムーズな競馬が基本になるよ。
亀:現役自体と同じで、燃え尽きたらなかなか立ち直れないわけですね。
今:気持ちよく走っての巻き返し待ちになるよね。
亀:芝もダートも5番人気以内で単勝15倍以内だと複勝率で50%もありますから、好調期は連続して走るので信頼して買える種牡馬です。それに加えて燃え尽きてそうなときでも、得意な条件になると巻き返す。だから余計に、馬券を買う側としては有り難い種牡馬なわけですよね。
今:その分かりやすいポイントの1つが距離変更だね。芝の延長は単複ともに回収率100%を超えてるけど、短縮は全然なんだよ。
▲グレーターロンドン産駒 芝の距離変更時成績