Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第92回目のトークテーマは前回に引き続きキズナ編で提唱した格言の検証と、キズナ産駒の現役馬分析です。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
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今井雅宏(以下、今):今回はキズナ検証編の続きと、現役馬の具体的な特徴もシックスペンスなど3歳中心に分析しておこう。
亀谷敬正(以下、亀):YouTubeチャンネル『亀谷敬正の競馬血統辞典』でも解説したのですが、今年の3歳世代は質も高いですからね。
今:まず検証だけど、「マイルの上がり勝負は牝馬限定で買え!」というのがあったよね。連載月以降で検証してみると、レース上がり34秒以下のマイルでは、牝馬が単勝回収率138%、複勝回収率87%で、牡馬が単勝回収率0%、複勝回収率21%だからピッタリ格言通りだったよ。
▲キズナ産駒 芝1600mでレース上がり34秒以下(2022年6月~)
亀:ソングラインが上がり勝負でGIを連勝しましたね。逆に牡馬は未勝利でした。ここまでは予想通りなんですが、今年の3歳世代は違うことをYouTubeチャンネルでは解説予想しました。今年の3歳は繁殖と育成の質が上がって、上がり勝負に対応する産駒も多いですよ。
今:まだ3歳で硬直化が起きていないのもあるよね。実際、2~3歳の牡馬はレース上がり34秒以下だと単勝回収率62%、複勝回収率96%だけど、古馬は単勝回収率30%、複勝回収率80%に落ちている。
亀:勝率もほぼ半分ですね。逆に言うと、今年の3歳はしばらくは上がり勝負で注意しないと。
今:あと「根幹距離は荒れて内外がばらける特殊馬場で買え!」という格言もあったよね。
亀:ヤシャマルの新潟大賞典を例に解説しましたね。
今:あれ以降も、同じ条件の新潟記念で10番人気のインプレスが激走したけど、内外がばらける特殊な競馬で、ぽっかり開いたインを突いて複勝10倍ついたんだ。
他に2桁人気で根幹距離を激走した重賞は、ホープフルSのサンライズジパング、前回話した神戸新聞杯のサヴォーナもあったよね。サンライズジパングはダート1600mからの延長で、サヴォーナは2勝クラスからの格上げ戦と、2頭ともかなり鮮度の高いときだった。特殊馬場以外に、「フレッシュ時には牡馬の根幹距離も注意」を格言に追加しとこう。
亀:あと「牡馬は非根幹距離で買え!」もありましたね。掲載以降では芝1800mが単勝・複勝とも回収率100%を大きく超えました。2200mも複勝回収率109%で、牡馬が主要距離で複勝回収率100%を超えたのはこの2距離だけですから、やはり格言通りでしたよ。
今:特に中距離ゾーンだよね。古馬混合戦だと、複勝率で1400mが26.3%、1600mが25.6%、1800mが31.8%、2000mが20.5%、2200mが46.2%だから、綺麗に非根幹距離は上がっている。やっぱり硬くなると非根幹距離が合うね。ちなみにマイルでも中山はコース形態が変則的でパワー競馬になるんで激走しやすいよ。
亀:上がり勝負にならないですしね。では、ここからは現役馬の分析に移りましょう。シックスペンスがスプリングSを完勝しましたね。