Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第111回目のトークテーマは前回に続きスワーヴリチャードと、次回取り上げるロジャーバローズの序章。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
今井雅宏(以下、今):先週の重賞も、やっぱり馬体重で絞りやすかったよ。エルムSを5番人気ペイシャエスから◎▲で馬単51倍当てたけど、これも2番人気ナチュラルハイが分かりやすかった。
亀谷敬正(以下、亀):マイナス10キロでしたね。
今:これはもうアウトだよ。前走6キロ減のあとの10キロ減だけでも危ないけど、3戦連続でオープンの1700m、しかもここ2戦は連対しているからね。こういう「カテゴリー鮮度」の薄い好調馬が突如10キロ減ってきたら、まず心身疲労が出たと考えて良い。少なくとも勝ちきる可能性はほぼゼロと判断出来るよ。滞在でストレスより勢いが上回ることの多いレースだから判断が難しかったけど、この馬体重ではっきりしたわけだ。
馬の生命リズムを把握するのに最も簡単なのが、馬体重ということだよね。良くない増減の馬でも、ステージ鮮度が高くて生命リズムが動いているときなら、増減幅の許容範囲は大きくなるんだけど。
▼参考/競馬放送局
今井&キムラがエルムSを本線GET!/先週のMVP
さて前回の続きだけど、そういえば亀谷君はオークスのスウィープフィート、ダービーのアーバンシック、レガレイラ、ラジオNIKKEI賞のショーマンフリートとかを「上昇しない」って熱心に解説してたよね。
亀:はい。スワーヴリチャードは今の3歳世代が初年度産駒で、AIなどの機械ではスワーヴリチャード産駒の上昇、下降が分からないんです。もちろん機械だけではなく、多くの一般ファンも分かっていませんでした。ボクは『ここからほとんどのスワーヴリチャード産駒は上昇しないので、逆張りで儲けましょう』とサロンメンバーには伝えていました。
年齢別に見ても分かりやすいですよ。回収率は2歳夏が一番高くて、単複ともに回収率が100%を超えています。2歳時のトータルでも単勝回収率140%、複勝回収率96%と高いですが、3歳になると勝率、回収率ともに落ちて、3歳4月以降だとさらに下がってます。
今:パワーはあるけど、体力がそんなに無いのもあるよね。だからパワー競馬に頼らない牝馬に強い産駒が出やすい。ただ体力がないぶん、牝馬は当たり外れが激しいけど。
馬券的に面白いのは前走より後ろに回る位置取りショックだよ。ホープフルSのレガレイラ、チューリップ賞のスウィープフィート、京成杯のアーバンシックと、大胆に後ろに回るショックを仕掛けた馬が重賞で激走したように、体力不足と精神コントロールの難しさを同時に補えるからね。
もちろん短縮が得意なのも、体力面を補える利点が大きい。馬群をあまり苦にしないのもあるけど。
亀:3歳になってからは、位置取りショックや短縮が最後の輝きになるパターンは多いでしょうね。ただ、短縮や位置取りショックで走った後もすぐにダメになるわけではなく、緩やかに下がっていくので、機械的に逆張りするなら、ショック後に激走した3戦目以降に消していく感じですかね。
今:短縮の狙い方もコツがあるよ。ハーツクライの血統だから、ダッシュ力はそんなにない。だから短縮も、前走逃げていなかった馬に限定すると回収率がかなり上がる。