競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは、中山芝が先行系中心になっている理由について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から関東の競馬は中山競馬場に舞台が移りました。先週の関東地方は雨続き。中山競馬場でも雨の影響を受けて、先週の芝コースは土日とも稍重でレースが行われました。
芝のレースは9鞍組まれ、脚質別成績は逃げ3勝、先行6勝。中団・後方馬による勝利はなし。1着馬は全て4コーナーで4番手以内。日曜は雨が降る中でのレースでしたが、開幕週ということもあり、外伸びにはならず、勝ち馬は全て内目を通る先行系。時計はさすがに少しかかっていたものの、トータル雨量を考えると、もっとかかっても不思議ではないのに、それほど要している感じではありませんでした。
この開催に向けて、芝コースではどんな作業が行われたのでしょうか。1回中山競馬終了後、芝コースには損傷箇所へ洋芝が追加播種されました。そして凹凸を整正した後、約2週間のシート養生が行われています。
馬場情報によると、“洋芝の生育に不揃いな箇所が部分的に見られますが、全体的にはおおむね良好な状態です”とのこと。なお、十分なクッション性が確保できているとのことで、昨年同様に2回中山開催の前にはエアレーション作業は実施されませんでした。
昨年の12月26日配信号の当コラム(今期の中山芝の時計が速いのはエアレーション作業の変化が要因!?)でもお伝えした通り、最近は冬の芝コースにおいて開催に向けたエアレーション作業を行う機会がなくなってきています。