競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「開幕週の京都芝コース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
4月10日、藤岡康太騎手が落馬事故により逝去されました。謹んで哀悼の意を表するともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
皐月賞では藤岡康太騎手が2週前、1週前の追い切りに騎乗していたジャスティンミラノが勝利。戸崎圭太騎手もお話されていましたが、天から藤岡康太騎手からの後押しがあったのだと思います。
また、その前日にイロゴトシで中山グランドジャンプを制した黒岩悠騎手のレース中のジョッキーカメラ映像も心を揺すぶられました。
先週の競馬は涙とドラマが重なって、レースを見ながらこんなに泣いてしまった週末は初めてでした。
▼参考映像/JRA公式チャンネル
【ジョッキーカメラ】イロゴトシ騎乗の黒岩悠騎手ジョッキーカメラ映像|2024年中山グランドジャンプ|JRA公式
藤岡康太騎手のレースで印象深いのは、昨年急遽の代打でナミュールに騎乗し勝利したマイルCSです。あの週の京都芝はCコース替わりで、先行有利の馬場。それを後方から行って外から差し切ったのですから、本当にお見事でした。
2012年にシルクフォーチュンで制した根岸Sでは4コーナー最後方から一気の差し切り勝ち。一方、初GI勝利となったジョーカプチーノによるNHKマイルCでの戦法は先行抜け出しでした。
変幻自在だった藤岡康太騎手の素晴らしいレースの数々、決して忘れません。これからは天国から、レースに挑む人馬を、そして競馬を見守って下さいね。今まで本当にありがとうございました。
さて、今週からは東京競馬と京都競馬がスタートします。今回は京都競馬場の芝コースについてお伝えしましょう。と言うのも、今年の冬の京都芝コースは少し緩く、タフな状態だったので、気になっている方がいらっしゃるかなと思うからです。
1月16日配信の当コラム(京都芝は今週末も時計がかかりそう!?)でも書いた通り、今の京都芝コースは2023年に路盤ができたばかりで、まだ月日が経っていないことが緩さの原因です。
当時、取材した馬場担当者は、『今後、時間の経過とともに路盤が安定していくと思います。振り返ると、中京競馬場が2012年に馬場改造工事をした際もタフな状態でした。京都も安定するまで2~3年かかると見ています。ただ、時間の経過を待つだけにはいきませんから対策を考えています。2024年の2回開催後に芝を一部張り替える予定です。ただ張り替えられる面積は限られていますし、今年は春開催が宝塚記念まで10週間あるので、冬開催でできた傷みを引きずってしまうでしょうね』と話していました。
では実際、2回開催後はどんな作業が行われたのでしょうか。JRAホームページの馬場情報によると、「第2回京都競馬終了後、特に傷みの激しかった外回り3コーナーから4コーナーを中心に約2000㎡の芝張替を行いました。あわせて、コース内側の蹄跡補修、洋芝追加播種、シート養生を行いました。その後、肥料散布、薬剤散布、芝刈などの管理作業を行い、芝の生育促進に努めました。芝の生育は順調でおおむね良好な状態です」と発表されています。
さらに、コジトモ。詳しい張替状況を馬場担当者に取材しました。