競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「菊花賞で結果を出す馬体重の傾向」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週の秋華賞、勝ったチェルヴィニアのレースぶりには痺れました。セキトバイーストが1000m通過57秒1のハイペースで逃げたことで、実力のある馬が上位に来るレースになった印象ですが、それにしても4コーナーから直線にかけてのルメール騎手の手綱さばきは何度見ても唸ってしまいます。焦りがまったくない感じでしたからね。
ルメール騎手は翌日の府中牝馬Sも勝利し、この秋もルメール騎手には注目せざるを得ないと改めて実感しました。
さて、その秋華賞。今さらながらのデータ出しで恐縮ですが、大型馬が不振です。2014年~2023年まで京都2000mで行われた計8回の秋華賞において(2021年と2022年は阪神競馬場で施行)、当日馬体重が500キロ以上の馬は(0・1・0・13)。
今年の秋華賞で3番人気だったクイーンズウォークの体重は524キロ。どうなるかと注視していましたが、結果は最下位の15着。クイーンズウォークはスタートでバランスを崩すアクシデントもありましたからね。レース後は“右前脚をおさえる素振りがあった”とサンデーサラブレッドクラブから発表がありましたし、とにかく大事に至らないことを祈ります。
さあ、今週は牡馬クラシック最後の一冠、菊花賞が京都芝3000mを舞台に行われます。先週、京都芝レースは11鞍行われ、逃げ1勝、先行8勝、中団2勝。1着11頭中9頭は4コーナーで4番手以内。ハイペースとなった秋華賞は決め手勝負になりましたが、そのほかのレースでは先行馬の活躍が目立っていました。
そして走破時計は昨年の秋の京都開催に比べると少し速い印象です。その理由は10月1日配信の当コラム(13週間のロングラン開催! 京都競馬場芝コースの状態は?)に書いたので、ここでは詳細には触れませんが、やはり昨年とはエアレーション作業の内容が異なっていることも影響していると思います。
また、今年はここまで2週間、芝コースは良馬場で施行されているので、それも大きいでしょう。今週も良馬場になれば、速めの時計が出そうです。
そして、秋華賞同様に菊花賞でも結果を出す馬体重にはある傾向があります。