競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「先週開幕した中京芝、その実情」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
1年が経つのは早いもので、もう12月ですね。今回は今週土曜日に中日新聞杯があり、12月15日まで開催がある中京競馬場の芝コースがテーマです。
先週から始まっている第4回中京競馬は9月29日以来の開催。今年は変則開催による影響で、夏に8月10日から8週間、計17日間も開催がありましたから、やはり芝コースは3~4コーナーを中心に傷みが出たそうです。
馬場担当者によると、「9月の3回中京競馬終了後、前開催で特に傷んだ3コーナーから4コーナーの内柵沿いを中心に約5000㎡の芝張替を実施。10月中旬にオーバーシードとして洋芝を播種しました。洋芝の芽出しが良く、芝の生育は順調でおおむね良好な状態です。蹄跡が目立つ箇所はありません」とのことでした。開催前のエアレーション作業は例年通り、実施されていません。
なお、開催前は直線コースの張替を行っていませんが、この直線部分には夏開催前に傷みにくい芝として、馬場関係者に注目されている“鳥取産野芝”が張られています(詳細は8/6の当コラム『馬場マニア注目! 鳥取産野芝を導入している中京芝』参照)。
夏開催で8週間使用しても「直線部は大きな傷みは出ず、状態が良かったです」と馬場担当者は話していました。それも、「8月から9月初旬にかけてAコースを使用した後にBコースを3週間使用したのですが、この間に(もう使っていない)Aコース部分がかなり回復していったのが印象的でした」とのこと。
ですから、そもそも今開催前に直線部を張り替える必要がなかったという訳です。今年は9月もまだ暑かったですから、それもあって芝が生長したのでしょうが、やはり鳥取産野芝は高いポテンシャルを持っています。
そんな状態で迎えた先週、中京芝レースは10鞍行われました。注目の脚質別成績は下記の通りでした。