競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「京都ダートコース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週は京都競馬場で平安Sが行われますね。そこで、今回のテーマはその舞台である京都ダートコースです。
京都競馬場は芝もダートも2023年春から路盤改造工事を行った状態でレースを施行しています。ダートコースは以前の古い路盤を撤去し、下層路盤、上層路盤ともに造り直しました。
今年の2月11日配信の当コラム(稍重時に時計がかかる? 京都ダートコース)でお伝えした通り、改造工事以降の京都ダートコースは少し時計がかかり、特に稍重の状態の時の方が時計を要する傾向が出ていました。
その理由の1つとして、新しい路盤はまだ安定していないためソフトで、力の要る状態になっていることが影響しているのではと、考えられていました。しかし、京都ダートコースの時計の出方に少しずつ変化が出てきているのです。
こう感じたのは今年5月3日に行われたユニコーンS(1900m)がきっかけでした。レースは稍重で行われ、勝ち時計は1分56秒8(勝ち馬はカナルビーグル)。ちなみに、この日は前日の2日に22ミリの雨が降って、3日午前は重スタート。改造後に時計がかかるようになった京都ダートとはいえ、さすがに重以上になると速い時計がマークされていますが、それを考慮しても時計が速かった印象です。
ちなみに、改造直後に行われた2023年の平安Sの勝ちタイムは稍重で1分59秒8でした(勝ち馬はグロリアムンディ)。
なお、2回京都開催のダートレースが良で行われたのは開幕週の4月26日と27日の全レースと、5月4日の5レース以降しかありません。これら良馬場施行の際も以前と比べれば少し時計が出る印象でした。
では、なぜ時計が速くなってきているのでしょうか。