競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「今週末から開幕する阪神の芝コース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
競馬の祭典、日本ダービーが終了。なんだか、心にぽっかり穴が開いてしまったような一抹の寂しさを感じますね。
しかし、今週末からは新馬戦が始まります!特に6月の新馬戦は今年のダービー馬となったクロワデュノールをはじめ、過去にも未来の活躍馬をたくさん輩出していますから、来年のダービー馬を探すためにも今週からは気持ちを切り替えていきたいです。
今回は今週末から始まる阪神競馬の芝コースがテーマです。前開催が4月20日に終了。昨年は阪神競馬場が改修工事に入っていた影響で夏開催がなかったので、この時期の阪神競馬は2023年以来となります。
2月25日配信の当コラム(鳥取産野芝が大幅に増えた阪神芝コース)でお伝えした通り、阪神競馬場はスタンドリフレッシュ工事を行い、今年3月1日に再開。芝コースとダートコースのレイアウトは変わっていませんが、休止している間に馬場では芝張替やダートの路盤改修工事などが実施されました。
昨年4月の2回開催後、例年の2.5倍となる約5万㎡の芝張替を実施し、正面直線と向正面外側の路盤更新(路盤砂の入替)も行われ、排水性、クッション性、均一性が向上しました。
今年2月の開催に向けて行われた芝コースの張替箇所は、直線と向正面の全幅員と、内回り、外回りの3~4コーナーは内側から約7m、1~2コーナーは内から約15mなどで、張替面積は52400㎡。阪神競馬場の芝コースの総面積は80600㎡ですから、競走で使用するほとんどの箇所を張り替えた事になります。
それもこの張替ではエクイターフに次いで傷みにくい芝として注目されている“鳥取産野芝”が採用されました。
阪神の馬場担当者に聞いたところ、「3月から4月の開催は開催日のお天気にも恵まれ、良好な状態で終えることができました」と話していました。確かに、大阪杯でコースレコードが記録されるなど、総じて速いタイムが出るコンディションで終了しました。
前開催の阪神競馬終了後は、開催で傷んだ箇所の蹄跡補修と洋芝の追加播種を実施。担当者によると「芝の生育は順調で全体的に良好な状態です」とのことです。