競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。今回のテーマは「7月7日の七夕賞」です。
7日、福島競馬場では七夕賞(GIII)が行われます。
1965年に創設され今年で節目の60回目を数える七夕賞。過去、1970年代には10月に移行され、レース名と開催時期が合わないために「東北記念」と改称されたこともあったようです。
7月施行に戻った1980年代以降は、夏の福島のハンデ重賞としてお馴染みのレースとなり、2006年以降は「サマー2000シリーズ」の第1戦として行われています。
さて、今年の七夕賞が行われるのは7月7日の七夕当日。「7月7日の七夕賞」は過去5回あり、今年は2019年以来5年ぶり6回目です。
初めての「7月7日の七夕賞」はグレード制導入直後の1985年7月7日でした。13頭立てで6番人気のロシアンブルー(ハンデ52キロ、柴崎勇騎手)が勝ち、2着にシンガリ人気のニューギャロップ(ハンデ50キロ、中舘英二騎手)が入りましたが、当時の連勝馬券は枠連しかなく、払戻は1,700円でした。
2回目の「7月7日の七夕賞」は1991年。12頭立てで「7枠」のシーキャリアー(ハンデ54キロ、小島太騎手)が1着、2着に2番人気サーストンボーイ(ハンデ55キロ、岡部幸雄騎手)で枠連1,120円(馬連の導入はこの年の10月から)。
3回目は2002年7月7日。14頭立てで3番人気イーグルカフェ(ハンデ57キロ、田中勝春騎手)が勝利し、4番人気ロードクロノス(ハンデ55キロ、北村宏司騎手)が2着。馬連は4,000円。この年の6月から馬単と3連複が導入されましたが、3着に1番人気コイントスが入り、馬単7,260円、3連複は6,100円と、馬単の方がつきました。
4回目は2013年7月7日。1番人気マイネルラクリマ(ハンデ57キロ、柴田大知騎手)が勝利し、7番人気トレイルブレイザー(ハンデ58キロ、北村宏司騎手)が2着、3着に16頭中14番人気のタガノエルシコ(ハンデ55キロ、田辺裕信騎手)が入り、馬連4,960円、3連複76,040円、3連単は310,070円の高配当。
そして前回5年前2019年の「7月7日の七夕賞」は、3番人気ミッキースワロー(ハンデ57.5キロ、菊沢一樹騎手)1着、2番人気クレッシェンドラヴ(ハンデ55キロ、内田博幸騎手)が2着、3着に12番人気ロードヴァンドール(ハンデ55キロ、横山典弘騎手)が入って、馬連2,710円、3連複31,460円、3連単は172,290円でした。
オカルトなハナシをしますと、過去5回の「7月7日の七夕賞」で馬券に絡んだ13頭のうち、9頭の名前に「ー」、6頭に「ル」が入っていました。ズバリ、今年のオススメは「ノースザワールド」です(笑)。
また、七夕賞だけに、枠連の7-7がよく売れることが知られていますが、同じ組み合わせの馬連の方がオッズが3~4倍つくと言われていて、七夕賞の枠連7-7だけはオススメできません。むしろ枠連は7-7ばかり売れるので、7-7以外の枠連にはうまみがありそうです。
そもそも1984年のグレード制導入後、枠連7-7で決まった七夕賞は1986年の1回のみで、わずか2.5%という低確率です。「7枠」自体馬券に絡んだのが、2010年以降の14年間で、2020年に7枠13番のブラヴァス(7番人気)が2着に入ったのみ。むしろ7枠は「〇に枠」と言えそうです。
2017年のゼーヴィント(戸崎圭太騎手)以来、1番人気馬の勝利がない七夕賞。現役騎手では、戸崎騎手が3勝、内田博幸騎手が2勝しています。
彦星と織姫のように、年に一度の高配当と出会えますように…。