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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2026/05/07 (木)

2026ケンタッキーダービーの備忘録/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは、2026年ケンタッキーダービーの備忘録です。



3日朝のケンタッキーダービー中継をご覧いただいた皆様ありがとうございました。今年も印象に残る熱いレースとなったケンタッキーダービー。来年以降のために覚えておきたいことも多く、備忘録としてまとめておこうと思います。

まずは中継前に行われたチャーチルダウンズステークス(G1・D7F)で、テーオーエルビス(牡4/坂井瑠星/栗東・高柳大輔)が2着馬に3馬身1/4差をつけての圧勝劇を見せてくれました。

2021年にマルシュロレーヌがBCディスタフを勝って日本調教馬初のアメリカのダートG1制覇を果たしてから、まだ5年足らず。去年はフォーエバーヤングが最高峰のBCクラシックを制し、今度はダート短距離のG1も勝利と、本場アメリカのダートでの日本調教馬の活躍は目覚ましいの一言です。

陣営の見事なレース選択でG1初勝利をあげ、これで5連勝。ロイヤルアスコットのG1・クイーンエリザベスIIジュビリーS(芝直線1200m)の予備登録もあるということで、その動向から目が離せません。

テーオーエルビスの父は、サラトガのダート6Fのアルフレッド・G・ヴァンダービルト(G1)の勝ち馬ヴォラタイル(父ヴァイオレンス、2代父メダリアドーロ)、母の父はカーリンという血統です。

そして、ケンタッキーダービーは日本での単勝11番人気だったゴールデンテンポが優勝。道中最後方から18頭をごぼう抜きしての勝利は見事でした。

管理するのは152回目の歴史の中でケンタッキーダービー制した初の女性トレーナーとなったシェリー・ドゥヴォー調教師。鞍上は前日のケンタッキーオークスに続く制覇となったホセ・オルティス騎手でした。

クビ差の2着は1歳上の兄アイラッド・オルティスJrが騎乗した1番人気のレネゲイドで、ゴール入線後に兄弟が拳を合わせたシーンは、後世に残る名場面となりました。

2頭の日本調教馬は、ダノンバーボンが4コーナー手前から直線半ばまで先頭に立つ見せ場十分の5着でした。いつか日本調教馬の首にバラのレイが掛けられるシーンが見られるかもしれないと期待を抱かせる走りでした。

一方、ワンダーディーンは8着。2頭とも帰国ということで、次のレースに向けて、まずは長旅の疲れを癒して欲しいと思います。

ところで私事ですが、先週、当欄の最後に穴馬としてあげたゴールデンテンポが見事に勝利してくれました。自分でもビックリしていますが、それもこれも亀谷競馬サロンで競馬を勉強しているおかげ。読者の皆さんの中で役に立ったという方がいれば、とても嬉しいです。

それにしても「1頭の種牡馬を覚えるだけでも馬券は勝てる」という亀谷さんの格言をあらためて実感しました。

今年のケンタッキーダービーは、1着ゴールデンテンポ(父Curlin)、2着レネゲイド(母の父Curlin)、3着オシェリ(父の父Curlin)で、出走19頭中3頭しかいなかった「2代前までにCurlinがいる」馬の1・2・3着でした。そのうち2頭が11番人気と18番人気ですから、その血統バイアスの回収率の威力はすさまじいものがあります。

過去の5年を振り返っても、2022年1着リッチストライク(父の父Curlin)、2023年1着メイジ(父の父Curlin)、2025年2着ジャーナリズム(父Curlin)に続き、今年は1、2、3着ですから、ケンタッキーダービーでのCurlin(その父Smart Strike)の相性の良さは覚えておきたいところです。

覚えておきたいもう1つのキーワードは「リズンスターS」。今年の優勝馬ゴールデンテンポの2走前はリズンスターS(G2・フェアグラウンズD9F)3着でしたが、リズンスターS出走馬のケンタッキーダービーでの成績も、やはり特筆すべきものがあります。

2021年の優勝馬マンダルーン(2走前リズンスターS1・着)、2022年2着エピセンター(2走前リズンスターS・1着)、3着ゼンダン(2走前リズンスターS・3着)、2023年2着トゥーフィルズ(2走前リズンスターS・3着)、3着エンジェルオブエンパイア(2走前リズンスターS1・着)、2024年2着シエラレオネ(2走前リズンスターS・1着)という相性の良さ。

勝ち馬だけではなく、今年のゴールデンテンポ含め、3着馬もケンタッキーダービーで好走していることも覚えておきたいところです。

ちなみに、ケンタッキーダービーの重要プレップであるリズンスターSの去年の優勝馬マグニチュードはレース後に足首の故障でクラシック戦線から離脱しましたが、今年のドバイワールドカップで見事な優勝を果たしたのは記憶に新しいところ。今年の優勝馬パラディン(C・ブラウン)も骨折で戦線離脱となってしまいましたが、母がモズアスコットの半妹というガンランナー産駒も復活できるでしょうか。

さて、ご存知のように、アメリカのクラシック三冠は、ケンタッキーダービーから中1週で2冠目のプリークネスSが、今年はピムリコ競馬場の改修に伴い、メリーランド州のローレルパーク競馬場ダート9.5Fで現地時間の17日に行われます。

ケンタッキーダービーを制したゴールデンテンポは、C・ドゥヴォー調教師が「元気でエネルギーに満ちあふれている必要がある」という条件付きで参戦に含みを持たせている一方、2着馬レネゲイド、3着馬オシェリ、4着馬チーフワラビーは回避の意向を示しています。

※ゴールデンテンポは陣営からプリークネスSに出走しないことが発表。今後は3冠最終戦のベルモントSに向かう予定。

また、陣営はプリークネスSの出走について明言はしていないものの、ケンタッキーダービーのアンダーカードで行われたパットデイマイルS(G2・D8F)で、2着に3馬身3/4差をつけステークスレコードで勝利したクラウドヴェロシティ(F・ジェル―/B・バファート)が出走してくれば、注目の1頭になりそうです。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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