競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは日本時間11/2(土)~11/3(日)早朝に行われるブリーダーズカップのみどころです。
アメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップ開催が、日本時間の土曜早朝と日曜早朝の2日間に渡って行われます。
去年の8頭を大きく上回る総勢19頭の日本調教馬が、10競走に出走する予定のBC開催。19頭の日本調教馬と出走レース、国内馬券発売が行われるレースを一覧にしましたので参考にしてください。
なお、今年も私が進行を務めさせていただく『グリーンチャンネルの中継』は日曜日の午前5時~9時までで、放送時間内のレースは全てLIVEで中継します。
※発走時刻は日本時間
★は馬券発売レース
<1日目 11/2(土)>
▼6:45
BCジュヴェナイルターフスプリント
芝1000m 2歳
エコロジーク(栗東・森厩舎、C.ルメール)
▼7:25
BCジュヴェナイルフィリーズ
ダ1700m 2歳牝
アメリカンビキニ(栗東・斉藤厩舎、R.ムーア)
オトメナシャチョウ(栗東・森厩舎、川田将雅)
▼8:45
BCジュヴェナイル
ダ1700m 2歳牡・騙
エコロアゼル(栗東・森厩舎、菅原明良)
シンビリーブ(栗東・森厩舎、武豊)
▼9:25
BCジュヴェナイルターフ
芝1600m 2歳牡・騙
サトノカルナバル(美浦・堀厩舎、R.・キング)
<2日目 11/3(日)>
▼5:21
BCディスタフ
ダ1800m 3歳上牝
オーサムリザルト(栗東・池江厩舎、武豊)
アリスヴェリテ(栗東・中竹厩舎、K.フレイ)
▼6:01
BCターフ★
芝2400m 3歳上
シャフリヤール(栗東・藤原英厩舎、C.デムーロ)
ローシャムパーク(美浦・田中博厩舎、C.ルメール)
▼6:41
BCクラシック★
ダ2000m 3歳上
ウシュバテソーロ(美浦・高木厩舎、川田将雅)
デルマソトガケ(栗東・音無厩舎、C.ルメール)
フォーエバーヤング(栗東・矢作厩舎、坂井瑠星)
▼7:25
BCフィリー&メアターフ★
芝2200m 3歳上牝
日本馬の出走なし
▼8:05
BCスプリント
ダ1200m 3歳上
ドンフランキー(栗東・斉藤厩舎、C.デムーロ)
リメイク(栗東・新谷厩舎・川田将雅)
メタマックス(栗東・森厩舎、菅原明良)
▼8:45
BCマイル★
芝1600m 3歳上
ジオグリフ(美浦・木村厩舎、横山武史)
テンハッピーローズ(栗東・高柳厩舎、津村明秀)
▼9:25
BCダートマイル
ダ1600m 3歳上
テーオーサンドニ(栗東・高柳厩舎、坂井瑠星)
では、グリーンチャンネルの海外中継内に行われるレースの見どころを、モーニングライン(主催者想定の単勝オッズ)をもとに簡単にまとめます(情報は10/30現在)。
まずは馬券発売はないものの、大注目なのが3歳以上牝馬によるダ1800m戦、BCディスタフです。
2021年に同じ舞台でマルシュロレーヌが快挙を達成したレースに、今年は7戦無敗のジャスティファイ産駒オーサムリザルト(栗東・池江泰寿)と、当初はフィリー&メアターフに出走予定だったアリスヴェリテ(栗東・中竹和也)の2頭が出走します。
マルシュロレーヌと同じくブリーダーズゴールドカップを勝っての参戦となる4歳牝馬オーサムリザルト(武豊)。ドウデュースで秋の天皇賞7勝目をあげたレジェンドが、今度はインゼルレーシングの無敗馬とともに5年ぶりとなるBCの舞台に臨みます。モーニングラインは5.0倍(3人気)です。
一方、これが初のダート戦となる今年のマーメイドS勝ち馬アリスヴェリテ(K.フレイ)。モーニングラインは31.0倍と10頭中の最低評価ですが、全兄キメラヴェリテをはじめダートの重賞ウイナーを多く出しているキズナ産駒の4歳牝馬の健闘に期待したいところです。
日本馬に立ちはだかるのは地元米国の最強3歳牝馬ソーピードアンナ。今年のケンタッキーオークスやニューヨーク牝馬2冠を含めGIを4勝しています。モーニングラインは1.8倍。圧倒的な1番人気です。
国内馬券発売も行われるBCターフ(芝2400m)にはシャフリヤール(栗東・藤原英昭)とローシャムパーク(美浦・田中博康)の2頭の日本馬が出走します。
13頭立てのBCターフ。モーニングラインの1番人気は、一昨年の優勝馬で今年もドバイシーマクラシックなどを勝っているレベルスロマンス(W.ビュイック)で3.5倍。
先行力がある英国調教の3歳馬ジェイアービー(S.レヴィー)が5.0倍。
フランキー・デットーリと7戦ぶりにコンビを組むゴスデン厩舎の5歳牝馬エミリーアップジョンが6.0倍。
G1連勝中の地元米国の4歳牡馬ファーブリッジ(J.ロザリオ)が7.0倍。
一方、サンタアニタで行われた去年のBCターフ3着馬シャフリヤール(C.デムーロ)は11.0倍(5人気)。
ハービンジャー産駒の重賞2勝馬ローシャムパーク(C.ルメール)は21.0倍で9番人気タイの評価です。
続いてはメインのBCクラシック(ダ2000m)。今年のケンタッキーダービー3着馬フォーエバーヤング(栗東・矢作芳人)と、2年連続出走となる去年のドバイWCチャンピオン・ウシュバテソーロ(美浦・高木登)、去年の2着馬デルマソトガケ(栗東・音無秀孝)の“日本ダート三銃士”が挑みます。
14頭立てのBCクラシック。モーニングラインの1番人気は、英国ダービー馬シティオブトロイ(R.ムーア)で3.5倍です。欧州ハイレベル3歳世代の大将格が、父である米国三冠馬ジャスティファイの故郷で初のダート戦に挑みます。
2番人気は前走のトラヴァーズSで最強牝馬ソーピードアンナを競り落としたフィアースネス(J.ヴェラスケス)で4.0倍。
日本馬の最高評価はフォーエバーヤング(坂井瑠星)の7.0倍(3人気)。
ウシュバテソーロ(川田将雅)は、ケンタッキーダービー2着馬シエラレオーネ(F.プラ)と並ぶ13.0倍(5人気タイ)。
デルマソトガケ(C.ルメール)は21.0倍(8人気タイ)の評価となっています。
日本馬の出走はなくなったものの、馬券発売は行われる3歳以上牝馬のBCフィリー&メアターフ(芝2200m)。モーニングラインの1番人気は、実に4回目のBC参戦となる地元米国の7歳牝馬ウォーライクゴッデス(J.アルバラード)で3.5倍。同じデルマーで行われ、ラヴズオンリーユーが勝った2021年の3着馬です。
ゴドルフィンの英国調教馬で7戦6勝の3歳馬シンデレラズドリーム(W.ビュイック)が5.0倍。
G1ヨークシャーオークスを勝っているエイダン・オブライエン厩舎の3歳馬で、フランキー・デットーリが騎乗するコンテントが7.0倍などとなっています。
馬券発売はないものの、こちらも大注目なのがBCスプリント(ダ1200m)。今年は「ウマ娘」でお馴染みの日本の「Cygames」がレーススポンサーとなって行われます。
重戦車ドンフランキー(栗東・斉藤崇史)、海外遠征7回目のリメイク(栗東・新谷功一)、初の海外遠征となるメタマックス(栗東・森秀行)の日本馬3頭が出走する11頭立てのBCスプリントは混戦模様です。
モーニングラインにおける日本馬の最上位評価は5歳馬リメイク(川田将雅)で7.0倍(3人気タイ)。米国遠征は初めてとなりますが、父ラニが三冠を皆勤した地でどんな走りを見せてくれるでしょうか。
3月のドバイゴールデンシャヒーンでは日本馬最先着の2着だったドンフランキー(C.デムーロ)は16.0倍。8番人気の評価は低すぎる印象です。
G1ジョッキーとなって迎えたこの秋は日本とオーストラリア、アメリカを往来している若武者・菅原明良騎手が騎乗する4歳馬メタマックスは21.0倍(9人気タイ)となっています。
そして、芝1600mのBCマイル。ジオグリフ(美浦・木村哲也)、テンハッピーローズ(栗東・高柳大輔)の2頭が出走し、国内馬券発売が行われます。
モーニングラインの1番人気は、今年の英2000ギニーの勝ち馬で、7月には古馬相手にサセックスSも勝っているゴドルフィンの3歳馬ノータブルスピーチ(W.ビュイック)で4.5倍。
BCジュヴェナイルフィリーズターフ、英1000ギニーと連続2着の後、目下G1を3連勝中の3歳牝馬ポータフォーチュナ(T.マーカンド)が5.0倍。
重賞4連勝中の地元米国の4歳牡馬ヨハネス(U.リスポリ)が5.5倍。
フランスのクリストファー・ヘッド厩舎の3歳牝馬で、凱旋門賞デーに行われたG1フォレ賞を制したラマチュエル(A.ルメートル)が6.0倍。
一方、イクイノックス、ドウデュース世代の皐月賞馬ジオグリフ(横山武史)は21.0倍(7人気タイ)。
涙のG1初制覇を果たした津村明秀騎手とともに夢舞台に挑むテンハッピーローズは31.0倍の最低評価。ブービー人気で制したヴィクトリアマイルのように、世界をあっと言わせて欲しいところです。
そのほか、初日のBCジュヴェナイルターフスプリント(2歳 芝1000m)ではエコロジーク(C.ルメール)がモーニングラインで1番人気に支持されているほか、2歳牡馬・騙馬による芝1600mのG1・BCジュヴェナイルターフには函館2歳Sを勝ったサトノカルナバルが、今年短期免許で重賞2勝の英国人女性騎手レイチェル・キングとのコンビで出走します。
また、海外中継の放送枠にはおさまらないものの、日曜日の最終レースBCダートマイルにもテーオーサンドニ(坂井瑠星)が出走。ダート競馬の本場アメリカの強豪に挑みます。
いまだかつてない日本馬19頭の大遠征となった今年のブリーダーズカップ。ぜひ注目してください!