競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは、4/24(日)に香港シャティン競馬場で行われるG1・チャンピオンズ&チャターカップです。
日本時間の4/24(日)夕方に香港シャティン競馬場で行われるG1・チャンピオンズ&チャターカップ(芝2400m)に、日本からディープモンスター(牡8/栗東・池江泰寿)とローシャムパーク(牡7/美浦・田中博康)の2頭が参戦します。
日本での馬券発売はありませんが、地元香港の英雄ロマンチックウォリアー(セン8/ダニー・シャム)が出走することもあり、要注目の一戦です。
チャンピオンズ&チャターカップは、1月のスチュワーズカップ(芝1600m)、2月(今年は3/1)の香港ゴールドカップ(芝2000m)から続く香港トリプルクラウンシリーズ(3歳以上による香港の中長距離三冠)の最終戦です。
レース名の「チャター」は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての香港で不動産・インフラ開発を牽引し、現在の香港の基盤を築いたインド出身の実業家であり、熱心な競馬の支援者・馬主でもあったポール・チャター卿に因んでいます。
有力馬の筆頭は、先月のクイーンエリザベス2世Cを制し、14度目のG1制覇を飾ったロマンチックウォリアーです。今年は当初から国内に専念して香港三冠に照準を絞ってきましたが、スチュワーズC、香港ゴールドCを勝利し、いよいよ三冠制覇に王手を掛けて三冠最終戦に臨みます。
これまでは2000m戦以下のレースを中心に走ってきたロマンチックウォリアー。2400m戦を使われるのは2023年の本レース以来3年ぶり2回目で、その時はロシアンエンペラーのクビ差2着でした。
三冠達成に向けて最後の試練となる距離の克服についてD・シャム調教師は、「(3年前のレースでは)うまく力を抜いて走れなかったが、年を重ねてコントロールしやすくなっている今なら、2F延長にも対応してくれるのでは」と話しています。
なお、ロマンチックウォリアーが三冠達成となれば、1993/94年シーズンのリヴァーヴァードン、2024/25年シーズンのヴォイッジバブルに続き史上3頭目となりますが、昨シーズン香港三冠を達成したヴォイッジバブルは、今年のレースを回避しました。
ロマンチックウォリアーと同世代のディープモンスターは、7歳秋の京都大賞典(GII・芝2400m)が重賞初制覇という遅咲きのディープインパクト産駒。今年2月には初の海外遠征でカタールのG2・アミールトロフィー(芝2400m)に出走し、ゴリアット、ジアヴェロットなどのG1馬を相手に勝利。レーティング120ポンドを獲得しました。
なお、アミールトロフィーの3着馬ジアヴェロットは、今回と同じ舞台の2024年香港ヴァーズ(G1)の優勝馬で、昨年末も2着。また、3年前の本レースでロマンチックウォリアーに勝利したロシアンエンペラーも同じ年のアミールトロフィーを勝利しています。
ディープモンスターの鞍上は、短期免許によって香港で騎乗中のジョアン・モレイラ騎手。モレイラ騎手は今回勝利すれば、香港にある12のG1レースを完全制覇することになるということです。
一方、5度目の海外遠征で、香港遠征も3度目となるローシャムパーク。前走は3月の日経賞(GII・芝2500m)で3着。ローシャムパークが馬券に絡んだのは2024年のBCターフ(G1・芝2400m)以来で、2400m戦もそれ以来となります。2024年の本レース優勝馬でもあるレベルスロマンスにクビ差まで迫ったデルマーでの走りを再現出来れば、香港の地で初のG1タイトル奪取も夢ではありません。
今回の鞍上は、2017年にワーザー、2023年にロシアンエンペラー(2着ロマンチックウォリアー)で本レースを制しているヒュー・ボウマン騎手です。
その他の地元香港勢では、去年の香港ダービー馬で、前走のG1・チャンピオンズマイル(芝1600m)はマイウィッシュのクビ差2着だったキャップフェラ(セン5/K・ルイ)や、ロマンチックウォリアーと同僚のジャスティファイ産駒で、今月3日の前走G3・クイーンマザーメモリアルカップ(シャティン・芝2400m)で重賞初制覇を果たしたロマンチックトール(セン5/D・シャム)、今年の香港ダービー(芝2000m)2着馬ナンバーズ(セン4/F・ロー)らがエントリーしています。
去年の中東での2戦以外、日本馬には負けていないロマンチックウォリアーが、距離不安を一掃して香港三冠を達成するのか、それとも日本馬が敵地で初のG1タイトルを手にするのか。チャンピオンズ&チャターカップの発走は日本時間の日曜午後5時5分です。
