★今週の重賞ピックアップ★
6月12日東京11R エプソムC(芝1800m)
エプソムCは東京芝1800mで施行。初角となる2コーナーまで150m強しかなく、内の先行馬が先行しやすく、ペースが落ち着きやすいのが特徴です。芝1600mは初角となる3コーナーまで500m以上あり、同じ大外枠でも全く意味合いが違うことに留意しましょう。
芝のレースは、大半の馬が2400mを走ることを目標に作られているため、距離短縮組が強いのが一般的です。1800mのこのレースも、本来は2000m以上の距離から臨んでくる馬が優勢なのですが、メンバーを見渡すと、今年はこの定説通りにはいかないかもしれません。
エプソムCの登録馬12頭のうち、前走の通過順位に3番手以内があるのは、ガロアクリーク、コルテジア、トーラスジェミニ、ノースブリッジの4頭。徹底的にハナにこだわるタイプが少なく、また上位人気が予想される有力馬は差し脚質なので、ペースは落ち着く可能性が高そうです。したがって、今年はタフな流れで強みを生かせる距離短縮よりも、位置取り争いで有利に運べる距離延長組を狙う手もありでしょう。
前出の先行馬4頭であれば、前走2番手からの距離延長となるトーラスジェミニに注目。想定通りのオッズであれば、大穴候補です。コルテジアも、ダービーで2番手を進んだ実績があり、能力的には十分に通用するでしょう。あとは2年ぶりがどうか。ノースブリッジは「逃げ切り勝ちからの昇級」なので、人気になるようなら疑ってかかりたいところ。
今回のコラムでも触れますが、私は、基本的に「先行有利」と想定した場合、今回のレースで4~5番手あたりを取れそうな馬に注目します。その観点でいえば、2走前にマイルで4番手追走、そして前走がマイルで中団から競馬をしていたダーリントンホールは、距離延長の今回、理想的なポジションに収まれそう。上位人気が予想されますが、有力候補です。
1番人気が予想されるジャスティンカフェは前走がド追い込み。15番手から2着に0.5秒差をつけた内容から、能力の高さは間違いありませんが、先週の安田記念におけるイルーシヴパンサーがまさにそうだったように、ペースが緩むと見込まれているレースで極端な追い込み馬を狙うのは、どうしても末脚不発のリスクがつきまといます。
一長一短のメンバー構成、コース形態からも、各馬がどの位置を取るかが結果に直結するので、並びと枠順が非常に大きな鍵を握るレースになるでしょう。
【当日注目馬】
1シャドウディーヴァ
3コルテジア
4ヤマニンサンパ
5ダーリントンホール
8ガロアクリーク
10トーラスジェミニ
力差の少ないメンバー構成でコース形態と並びから良い位置を取れそうな馬を中心に馬券は考えた。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言32
『競馬で勝ちたければ、「4」と「6」を意識しろ』
★ピックアップレース★
5月14日新潟7R 4歳以上1勝クラス(芝1200m稍重)
注目馬:13ジャストザビアンカ
買い目
単勝 13 2000円
複勝 13 3000円
馬連 13―3・4・7・8・9・12 各400円
3連複 13―3・9・13―3・4・7・8・9・12 各200円
─前回からの予告通り、今週は◎13ジャストザビアンカで、複勝、馬連、3連複のトリプル的中。9800円→128,780円となった5月14日土曜新潟7Rについてお伺いします。
みねた) このレース、まずは第一感として「荒れそうだな」というのがありました。前走13着の5タイガーリリーが1番人気だったので、これは怪しいなと。前走二桁着順の馬を買うことも多いのですが、それは二桁着順によって妙味が生まれるからであって、前走二桁着順で1番人気の馬なんて、基本的に買うものではないですよね(笑)。
─前回お話を伺った同日の中京6Rでも、「前走の通過順位に3番手以内があったのも14ワンダーカタリナだけ。しかも12着と大敗しています」とおっしゃっていました。
みねた) もちろん、前走二桁着順だけが理由ではなくて、このレースには前走3番手以内で競馬をした馬が16頭中5頭しかいなかったので、前走9番手から競馬していた5タイガーリリーは展開も向きそうにありませんでした。前走二桁着順の大敗で、特に展開面の恩恵のないということで、危険な人気馬だと判断したのです。
─1番人気をバッサリ切れるとなれば、俄然、勝負度合いは上がりますよね。
みねた) 先の中京6Rの例でもレースレベルの話をしましたが、ここも前走で掲示板内なのが2ネオレインボウ、9タツオウカケンラン、10ピュリフィアン、11チカリヨンの4頭だけなので、レースレベルは高くありません。レースレベルが低い=後ろから差せる馬がいないということなので、先行有利になることが多く、ましてやこのレースは先行馬が少ない組み合わせ。狙い目は好位から差せる馬だと考えました。
─13ジャストザビアンカは前走5-4の通過順位から11着。
みねた) 先行有利と見込んだ時、私は今回のレースで4~5番手を取れそうな馬に注目します。そして、その観点からもっとも期待値を取りやすいのが、前走4番手ぐらいを走っていた馬なんです。
─ここで、冒頭の重賞展望でおっしゃっていたダーリントンホールに注目する話と繋がってくるわけですね。
みねた) そういうことです。これは人間の意識の問題だと思うのですが、前走3番手以内に走っている馬は、「先行できた」という事実を評価されることが多くて、過剰人気になりがち。一方、4番手から伸びずバテずといった馬は、言い方は悪いですが、ファンの目には「何もできなかった」ように映るので、妙味が大きいのです。
─13ジャストザビアンカの前走は4角4番手から11着に敗れていますが、勝ち馬とは0.8秒差。5着からは0.2秒差で、「何もできなかった」と酷評するような内容でもありませんでしたね。今走では道中5番手から、しっかり2着に粘りこみました。
みねた) 前回もお話しした通り、3着と4着、上がり3位と上がり4位の間には大きな壁があります。このレースの13ジャストザビアンカのような、前走通過順3番手と前走通過順4番手の場合も同様です。
オリンピックでメダルをもらえるのは3位までですし、「ベスト3」みたいな企画が多いことからも、人は「3以内」を高く評価する傾向があるのでしょう。それはすなわち、3は過剰人気になりやすく、4は過小評価になりやすいということ。今まで、3着馬ばかりを買っていた人が、4着馬を意識的に狙うようにするだけでも、きっと回収率は上がるでしょう。
─レースレベルを測る上で「前走掲示板内」という指標を使うのも、結果的に、誰もが意識する前走3着以内ではなく、見落とされがちな4着馬、5着馬に意識を向けるという意味で効果的なのでしょうね。
みねた) それも、「前走6着以内」にしてもいいかもしれません。掲示板が5着までであるように、人々が3の次に意識する数字は5でしょうから、3と4の時と同様に、5と6の間にもまた大きな壁があります。金言9「前走僅差の6着以下」というのは、まさにこういった人々の意識の逆をついて、回収率を出す方法だといえますよね。
─確かに、5着続きの馬と6着続きの馬では、かなり印象が違います。
みねた) ですが、競馬はコンマ1秒、ハナの差を争う競技なので、道中のほんの些細な動きや位置取りで、簡単に入れ替わるもの。だとすれば、着順そのものにはあまり意味はなく、オッズが甘い方を狙うのが正解です。それを金言化するならば、「競馬で勝ちたければ、4と6を意識しろ」といったところでしょうか。
─それ、いいですね。早速、今週末の競馬は4と6を意識して馬柱を眺めてみます。