★今週の重賞ピックアップ★
1月29日中京11R・シルクロードS(芝1200m)
シルクロードSは中京芝1200mでの施行。初角となる3コーナーまでは315mほどで、それなりの距離はありますが、やはり一線級が争う重賞レースであることを考えると、基本的には内目の枠が有利でしょう。
登録馬19頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。スプリント戦にしては先行馬の割合が低く、ハナを切っているのはジャスパージャックのみ。ペースは上がりにくく、先行有利になりそう、というのが第一印象です。
想定オッズ通りなら、シンプルにジャスパージャックの前残りを狙うのも面白そう。2走前にリステッドを勝利し、前走も0.4秒差の7着と期待値の取れそうな敗戦でした。
前走、京阪杯を2番手から2着したキルロードにも注目。その前走が10番人気、高松宮記念3着時も17番人気と、高齢のセン馬ということもあってか、人気になりにくいタイプで、この先も追いかけて損のない馬です。
ここ5走の人気が2、2、2、4、3だったテイエムスパーダも、3戦続けての大敗でここは手頃な人気に落ち着きそう。オッズ的には狙い頃です。スタートの反応が遅くなっている点は気掛かりではありますが。
上位人気馬では、好位差しの戦法で、2走前には自力で動いていく競馬もこなしているトウシンマカオに信頼感があります。
ナムラクレアは前走のスプリンターズSで強気に動いて5着。負けて強しの内容で、能力の高さは疑いようがありませんが、直近3走が1番人気、1番人気、2番人気とやや過剰人気になりやすいのが気になります。
ウインマーベルは4戦連続で連対中。明け4歳を迎え、飛躍が期待される1頭です。こちらも能力の高さは認めつつも、59キロを背負って、前走の7番人気から大幅に人気がアップするであろう今回、人気に見合う存在かは微妙なところでしょう。
4連勝で重賞挑戦となるのはマッドクール。しっかり脚をためる競馬で勝ち上がっている点に好感が持て、一気の重賞制覇となっても不思議ではありません。
差しへの脚質転換が板についてきたのはファストフォース。CBC賞勝ちと実績は申し分ありませんし、想定オッズ通りなら期待値はありそうです。
前残りに張るか、好位差しを軸にとるか、それとも期待値を追うか。混戦で波乱必至のハンデ戦だけに、検討し甲斐のあるレースです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【枠順確定後注目馬】
2ナムラクレア
3グルーヴィット
8マッドクール
9ファストフォース
11テイエムスパーダ
13キルロード
15トウシンマカオ
基本的には内枠有利なコースレイアウト。メンバー構成からは前に行ける馬が有利。ハンデ重賞で斤量も加味するとかなり難解な一戦。波乱含みで馬券的には面白い。大穴決着に期待したい。
■みねたの金言64
『下級条件で連続好走の人気馬は期待値が取りにくい』
★ピックアップレース★
1月21日小倉3R・3歳未勝利(ダート1000m稍)
◎10メタマックス
○12シュンセツ
▲2アシャカデュラン
△7パガファンタス
☆11コスモジョセフ
注14ルクスシュナイダー
[参考買い目]
単勝 10 2000円
ワイド 10-12.2.7 各1000円
馬連 10-12.2.7.11.14 各500円
3連複 10-12.2.7-12.2.7.11.14 各300円
──先週土曜の小倉3Rは、単複の配当逆転(勝ち馬メタマックスの単勝配当が340円、複勝配当が400円)が話題になりました。この日は他の勝負レースも中山3Rが◎○でワイド24.5倍、小倉8Rが◎▲で馬連27.3倍、ワイド10.3倍など素晴らしい的中連発だったのですが、敢えてトリガミだったこのレースを取り上げさせてください。
みねた: 断然人気の4カンフーダンスが着外(6着)に沈んだことで、複勝配当が跳ね上がったレースですね。断然人気が飛んだ時、たまに発生する現象です。それにしても3番人気の複勝が1160円というのは、滅多にみかけないですよね。
──売上票数を調べてみたら、複勝1.546,373票のうち、1,263,659票が4カンフーダンスに投じられたものでした。
みねた: それを考えると、◎10メタマックスの単勝はもう少しついてくれてもいい気がするんですけどね(苦笑)。4カンフーダンスが過剰人気だったので、AI勢がこぞって10メタマックスの単勝を買ったのかもしれません。
──それにしても1倍台の人気だった4カンフーダンスを無印にしているのはさすがです。その根拠を教えていただけますか?
みねた: 下級条件での連続2着は、そもそも期待値が取りにくいですよ。力が抜けていたら勝ち上がっているだろうし、直近で力を出し切っていなかった馬が本気を出して逆転するパターンは十分に考えられます。
──確かに、人気になって勝ち切ることの難しさは、このコラムを担当するようになって痛感しました。4カンフーダンスは2戦とも逃げ・先行しての2着で、金言8「逃げた時点で展開に恵まれている」にも当てはまっていましたね。
みねた: また、このレースでは、3番、4番、5番、6番と先行馬(前走の通過順位に3番手以内があった馬)が並んでいました。金言7「先行馬の並びが展開を決定づける」でもお話しした通り、先行馬が並んで入っている時点で不利。しかも並びの真ん中という両脇からプレッシャーを掛けられる最悪の枠順でもありました。
──先行馬同士が並びで入るとポジション争いで消耗しやすく、スタート後の競り合いで寄られたりするリスクも大きくなるんですよね。レースVTRをみてみると、4カンフーダンスはスタート直後に5番の馬と接触しています。その後に盛り返して3番手を追走しているので、パッと見では気付かなかったのですが。
みねた: 実は、そういった小さな不利はたくさんあるので、少しでも不利を受けにくい、スムーズに走りやすい馬を選ぶのが重要です。4カンフーダンスは複勝1.0~1.1倍でしたから、元返しのケースも含めたら、13~14回続けて当たってようやくプラス。13回に1回ぐらいは、軸馬自身が出遅れることもあれば、今回のようにぶつけられて負けることもあるでしょう。今回の4カンフーダンスは「危険な人気馬」というよりも、「期待値的に見合わない存在だった」という表現が妥当かなと思います。
──出走14頭中、12頭が前走で二桁着順というメンバーで、2着続きの4カンフーダンスに印を回さず、買い目に入れないのは、凄い胆力だなと。
みねた: そのメンバー構成だと、新聞をみて選ぶファンは、「4カンフーダンスは外せないな」となりますよね。実際、8割ぐらいの確率で4カンフーダンスは馬券に絡む存在だったと思いますが、無印にしたのは、◎から逆算した買い目を組んだからです。
──金言4「決着形を意識して買い目を組み立てる」ですね。
みねた: ◎10メタマックスは先行または好位差し想定だったので、相手には「逃げ挟み」など期待値の取れそうな差し馬を置きました。1000mは基本的に先行有利ではありますが、先行馬ばかりで2列目を組んで期待値を取るのは難しいので。あとは4カンフーダンスを3列目に押さえるか否かでしたが、期待値のありそうな馬が多かったので、敢えて断然人気馬を入れる必要はないと判断しました。馬券圏外に沈んでくれたので、なんとか単勝以外も獲りたかったのですが…。
──最後に一点だけ。4カンフーダンスを評価していなかっただけに、10メタマックスの複勝を買い目に入れるという手はありませんでしたか? ワイドの分を複勝にしていたら、それだけで3000円×4倍で12,000円の払い戻しになりましたが。
みねた: 10メタマックスの複勝オッズは1.1~4.3倍で、4カンフーダンスが馬券に絡んだら1.1倍になる馬券ですからね…。さすがに予想を提供する立場として、8割の確率で1.1倍の配当になる馬券を推奨するのは難しいです。ただ、今回の複勝オッズは年1回レベルの歪み方だったと思うので、一勝負師としては、こういうイレギュラーな状況を見逃さずに、妙味のある馬券を仕留められる存在でありたいな、とは思います。