プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“期待値的には、辛勝にみえるぐらいでちょうどいい”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
3月23日 阪神11R 阪神大賞典 芝3000m
阪神大賞典は阪神芝3000mでの施行。初角となる3コーナーまで300m以上の距離があるため、先行争いにおいて、内外の有利不利はありません。
登録11頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは3頭。先行馬占有率は高くなく、スタミナを生かしつつの瞬発力勝負になりそうです。
1番人気想定はショウナンラプンタ。まだ2勝馬の身ですが、前走の日経新春杯でも2着に好走し、明け4歳勢の力をみせました。菊花賞は10-10-10-4と捲る競馬で4着。これは確かなスタミナがなければできない芸当で、3000mへの距離延長はプラスでしょう。2倍台前半のオッズが見合うかはわかりませんが、有力候補であることは間違いありません。
2番人気想定はヴェローチェエラ。3連勝で臨んだ日経新春杯で1番人気に推されるも4着。重賞の壁に跳ね返される形になりました。過去の戦歴をみると、やや人気になりやすい傾向があり、期待値は取りにくいタイプのようです。覚醒したら一気に上り詰めそうな雰囲気はあるので、狙うならその時でしょうか。日経新春杯はそれまでの捲る競馬からは一転して8-8-8-9から4着。しっかり脚をためる競馬だったので、今回の距離延長で追走が楽になるのはプラスでしょう。
3番人気想定はワープスピード。昨年の2着馬で、昨秋にはメルボルンカップでも2着と健闘しました。こちらもはヴェローチェエラとは逆に、好走しても比較的人気になりにくい傾向があり、期待値は取りやすいタイプ。先行馬が少ないメンバー構成なので捲れるのはプラス。また、捲り型にとって距離短縮は追い風でもあります。想定オッズ7.5倍なら期待値はあるかもしれません。
4番人気想定はゴールデンスナップ。2走前のG2ステイヤーズSは格上挑戦の身ながら1番人気に支持されました。4着と期待には応えられなかったものの、0.3秒差・4着なら内容は悪くありません。万葉Sを制して挑むここで、4番人気・7.5倍にとどまるならオッズは甘く映ります。
5番人気想定はブローザホーン。昨年の宝塚記念の覇者で、実績はメンバー随一です。ただ、昨秋3戦は11着→12着→12着と精彩を欠く走りでした。想定オッズ9倍前後は微妙なラインで、期待値的にはもう少し人気を落として欲しいという印象です。
先行馬占有率の低い一戦で、前走京都記念3-4-3-3のマコトヴェリーキーは注目したい存在。しっかり脚をためる競馬だったので距離延長もプラスに働きます。7番人気・想定15.9倍なら。
コース、メンバー的に枠や並びよりも期待値を重視したい一戦です。なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言173
期待値的には、辛勝にみえるぐらいでちょうどいい
★ピックアップレース★
2月23日東京9R ヒヤシンスS ダート1600m良
◎3プロミストジーン
○9ルクソールカフェ
▲7ドンインザムード
△10タイセイドラード
☆4ダノンフィーゴ
注1ハッピーマン
―今回は、亀谷競馬サロンにリモート出演された2月23日の競馬を振り返ります。この日は、東京9RのヒヤシンスSが○◎▲で3連単13,920円、京都10RのマーガレットSが☆◎○で3連複25,280円、そして小倉11Rの小倉大賞典が◎注で馬単7,920円。フェブラリーSこそ◎ペプチドナイルが4着で涙を飲みましたが、素晴らしい成績です。
みねた)東京8Rを9番人気・39.2倍で勝ったフライングブレードを推奨できたのも良かったですね。やはり亀谷競馬サロンはパワースポットでした(笑)。
―では冒頭で挙げた3戦について振り返っていただきましょう。まずはヒヤシンスSから。◎のプロミストジーンが2番人気2着、そして9番人気3着のドンインザムードへの▲がお見事でした。
みねた)このレースで、前走の通過順位に3番手以内があったのは8頭。10頭中8頭ですから先行占有率は80%!
―このレースは10頭中9頭が前走1着ですし、どうやって予想すれば良いものかと頭を抱えていました。
みねた)あまり難しく考える必要はありませんよ。先行馬占有率が高いレースの狙い方は何でしたか?
―内枠、ですね。
みねた)そうです。これはもう、何度も取り上げていますよね。先行馬が揃った一戦はタイムトライアルになるのでロスが許されない。したがって、道中を距離ロスなく進められる内枠が有利になります。次点で、並び的に内に潜り込めそうな馬ですね。
―◎プロミストジーンは内目の3番枠、そして「先行馬の外」。
みねた)先行馬のカウントをすれば、◎は一択でしょう。前走で9-10と脚をためて差していたのも、先行馬占有率の高い一戦では有利に働きます。先行馬占有率が高いレースでは差し馬を狙いたくなりますが、並びに恵まれていない外枠の差し馬だと、道中で外を回らされて届かないケースがあります。その点、3番枠で1番と2番が先行馬であれば、外を回らされる心配は皆無です。
―▲ドンインザムードについてもお願いします。
みねた)このレースの場合、コースとメンバー構成から「タイムトライアルになって内の馬が頑張る」が最も想定しやすいパターン。そしてもう一つが「芝スタートの外枠を生かして、楽に追走した馬が残る」パターン。ルクソールカフェが8枠9番から5-5の通過順位で1着、そしてドンインザムードが7枠7番から4-4で3着。まさに想定通り、理論通りの○◎▲でした。そしてこの2頭にはもう一つ共通点があって…。
―(距離)短縮ですね。
みねた)その通りです。先行馬が揃って消耗戦になると、特に長い距離を走っていたスタミナが生きてきます。
―ただ、派手な勝ち方をしている馬が揃っていたので、ドンインザムードの前走、「平場1勝クラスで0.0秒差の辛勝」で足りるのかなと思ってしまいました。
みねた)根岸Sを0.7秒差で勝っていたコスタノヴァのように、トップクラスの争いとなる重賞での圧勝は能力の証で軽視はできません。ただ、一般的には、競走馬が毎回コンスタントに能力を発揮できる方が稀。期待値的には、圧勝はむしろマイナスに働きます。
―確かに、前走で後続に1秒差以上をつけていた3頭はいずれも着外に終わっています。
みねた)辛勝でも馬自身は楽に感じている場合もあるし、必要以上に力を使い過ぎて圧勝してしまっているケースもあります。圧勝している馬が、競り合いになって脆さを出すシーンも多いですよね。下級条件では、あまり着差というファクターにこだわらなくてもいいと思いますよ。
―期待値的には、辛勝にみえるぐらいでちょうどいい。
みねた)もっと言えば、負けている方がいいですね。力を出し切ったらしっかり馬券に絡んで、そうじゃない時はボロ負けする。好走→凡走→好走→凡走みたいなタイプが期待値を取りやすいですね。小倉大賞典のロングランもそれに近いタイプでした。
―では、小倉大賞典、そしてマーガレットSについては次回伺いましょう。
(次回に続く)